宗流がお届けする小さな豆知識。
by sou-ryu_mame
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糸で描く絵


こんにちは。
ここ数日、京都はぐんと気温が下がり
急に冷え込むようになりました。
まさに京都の底冷えです。
そして、景気も底冷え…らしいです。


さて、本日は前回の色に続くお話で
「刺繍糸」についてのお話です。

刺繍は呉服関係の中でも、友禅や絞り・金彩などと同じように
着物や和装小物においてとても多く使われている技法です。
また、ハンカチや洋服などにもよく使われているので
みなさまも目にされる機会が多いのではないかと思います。
その中でも今回はミシンで縫う刺繍の糸についてお話します。


本日の画像はその刺繍の糸です。
糸の太さは、家庭用のミシン糸程度とそれほど変わりません。
素材は化繊糸や絹など様々です。
ただ、家庭用のミシンは布と布をはぎ合わせたり
ステッチをかけたりが主な縫い方なのに対し、
刺繍用のミシンは、この細い糸で線だけでなく、
面を糸で埋めて色を生地の上に置いていくため
縫い合わせるミシン糸に比べ、大変たくさんの糸の分量が必要です。

また糸の分量だけでなく、色の数も途方もなくたくさんあります。
絵の具のように混ぜ合わせて新たに色を作るのではなく
一つの色で一本の糸のため、多くの色を使う刺繍には
必然的にたくさんの色糸が必要となってきます。
そのため、刺繍を生業にされるメーカーさんには
膨大な色の糸がストックされているのです。


刺繍の絵に対して、色糸の置き方を考える仕事を「配色」といいます。
この配色は大変なお仕事です。
何しろ膨大な色の中から、色構成を考えるのはセンスが問われます。
また、花の刺繍一つとってみても、そこを単色で縫い上げるだけなら
色を考えるだけで済みますが、花芯の部分や花びらの色の濃淡、
全体の立体感等を考慮しながら色を決めてくため、
頭も目もフル回転しながら作業が行われます。
いってみれば、色のプロデューサー兼職人さんかもしれません。


細い糸が織りなす色や絵は、自由に描ける友禅とは違い
表現にも制約が出てきます。
ですが平面的な絵とは違い、独特の立体感があります。
そしてそれが刺繍の一番の魅力ともいえる気がします。

もし美しい刺繍に出会われた際、その製品のバックグラウンドに
そうした人々が携わっています事をほんの少し思い出して頂ければ
和装の関係に携わる者としてとても幸せに思います。

宗流



和装小物 宗流
http://www.sou-ryu.jp
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by sou-ryu_mame | 2008-11-20 17:34 | 刺繍について

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