宗流がお届けする小さな豆知識。
by sou-ryu_mame
プロフィールを見る
画像一覧

映像のなかの「きもの」


こんばんは。
もう明日はお休み、と今夜は寛ぎの最中の方も多いのでしょうか。
私は今週あと一日お仕事です。
頑張らねば!


さて、本日は先ほどTVで藤沢周平の原作映画
「隠し剣 鬼の爪」を見ていた影響で
「映像の中のきもの」についてのお話です。

時代劇などを見ていると、劇中の当時の女性たちは
もちろん「きもの」を着用しています。
ですが、その「きもの」が今のきものと違うと
感じられた事はないでしょうか?

見た目で一番違う点は、町の女性たちの襟元かもしれません。
いまの「きもの」の襟元には、劇中の女性たちのような
黒いかけ襟は、まずほとんど見られません。
今の「きもの」は毎日普段着に着用される方を除いては
「お洒落着」としての要素が強いのに比べ
当時の女性たちは「きもの」=「日常着」でした。

もちろん日常着だったため、いまのように高価な絹物を着て
炊事・洗濯をこなしていたわけではありません。
簡素な木綿や、くず繭から紡いだ糸で作られたきものが一般的でした。
そして、何より現代の私たちが何枚もの衣服を持つように
たくさんの着物を持っていたわけではないそうです。

一枚のきものがダメになるまで、大事に着るのが当たり前だった当時
きものがまず最初に痛む箇所は「襟元」でした。
そのため、痛み防止と汚れが目立たないという観点から
きものに黒いかけ襟がかけられていたそうです。

子供のころ、そんな事とはまったく知らず
TVの時代劇の影響で、私はきものには必ず
黒い襟がついているものと思いこんでいました。
今思うと、そうでないと気づくほどに
周りにきものを着る人がいなかったのかもしれませんね。


そして、よく見ていると時々劇中でおかしな事を目にすることがあります。
それは、女性の帯の「お太鼓結び」と「帯揚げ」です。
実はこの二つは、江戸時代の初頭にはなかったものなのです。

お太鼓結びは、江戸の末期に東京の亀戸天神にある
太鼓橋と呼ばれる橋の形状をまねて、
亀戸の芸者さんたちが結ぶようになったものなのです。
そして、その帯結びに必要な帯枕や帯揚げも、
その頃から使われるようになりました。

ですから、江戸の初頭が舞台の時代劇で
町の女性たちが当たり前のように帯をお太鼓を結ぶ、
というのには少し無理があるのです。


でも…きものに携わる者の一人としては
帯の結び方はどうあれ、きれいな女優さんが
美しくきものを着こなす姿を見て、一人でも多くの現代の女性たちが
「きものっていいなぁ」と思ってくれる事を願ってやみません。


宗流


和装小物  宗流
http://www.sou-ryu.jp
[PR]
by sou-ryu_mame | 2009-02-07 00:24 | 「きもの」について

最新の記事

再び「衿」のお話
at 2011-02-02 22:30
半襟の日
at 2011-01-20 00:22
睦月の節句
at 2011-01-16 18:21
2010 正倉院展 その3
at 2010-11-20 18:23
2010 正倉院展 その2
at 2010-11-03 17:01

お気に入りブログ

。*゜ミルクブラウン色の...

ライフログ

検索

ファン

ブログジャンル

画像一覧