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太陽の花


こんばんは。
本日の京都は、午前中は昨夜の雨が残っていましたが
午後からは雨も上がり、久々の青空が戻ってきました。
ただ風はとても冷たく、春の暖かなものとは
程遠いものでしたが…。


さて、今日は昨日の「藍」に続き、色のお話です。
どうやら、この色シリーズも何となく続きそうな予感…。
どうぞお付き合い下さいね。


唐突ですが、みなさまのイメージの中で
「赤色」を表すもので真っ先に思い浮かぶものって何でしょうか?
太陽・火・血…季節柄、苺というのもあるかもしれませんね。
この赤色、色の中では、生命の躍動のイメージに最も近い色だと
いうお話を聞いたことがあります。
万物の母とも言われる海の青や、植物の生命を表す緑も
同じ意味合いがあるのかもしれませんが、
寒色系のそれらが、穏やかさを持ちあわすのに対し
躍動感という点では、赤が優っているように思います。
特に濃い赤色は情熱的な色ですものね。


ところで、この赤色ですが、染色(天然染料)の中では
「紅花」という植物由来の色素で染められる場合が多くあります。
ですが、この花自体は「紅」という名前こそついていますが
花の色は黄色、もしくは薄朱色(オレンジ色)が主とされます。

この黄色い花からどうやって赤い色素を取り出すのかというと、
まず花びらを水に浸してよく揉みます。
すると、水は黄色の色素(サフロール黄)で黄色く染まります。
そのまま揉み続けると、やがて黄色の色素が出切ります。
その後、花びらをいったん取り出し、灰汁の中に浸けておくと
水に赤色の色素(カーサミン)が溶け出します。
染色は、その赤の色素が溶け出したもので行われるのです。

紅花の歴史は古く、原産国でもあるエチオピアからエジプトにかけては
ミイラを包む布をこの紅花で染めていたとも言われています。
その後、この紅花は中国に渡り、そこから日本にも伝わったそうです。


また、紅花は古くから文学の世界でもたびたび引用がされてきました。
古いところでは万葉集・古今集にも登場しています。
よく知られるお話では、源氏物語にもこの紅花は登場します。
と、いっても花自体ではなく、名称なのですが…。
常陸宮の姫君である「末摘花」は、紅花の異名なのです。
残念ながらこの姫君は、美貌の姫君が多数登場する源氏物語の中では
容姿が優れた女性としては描かれていません。
鼻が赤いこの姫君は、花の赤い紅花とかけて「末摘花」という
あまり嬉しくない愛称(?)を光源氏につけられてしまいます。


ですが、この「末摘花」は、大変古風で一途な女性として描かれています。
確かに容姿は良くは描かれていませんが、
たとえ磊落しようとも貴族としての誇りを保ち
八年もの長い月日を源氏一途に思い続ける女性なのです。

そう思えば…
この「末摘花」の名前はもしかしたら、鼻の赤いという揶揄だけでなく
紅花の色のような情熱的な心を、密やかに内に内包する女性、
という意味でつけられたのかもしれません。
もちろん、これは私の想像の域でのお話ですが…。



宗流


和装小物 宗流
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by sou-ryu_mame | 2009-03-14 21:19 | 色について

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