注意喚起の色…?
こんにちは。
本日の京都は、朝のうちは昨日の雨が残っていましたが
午後からは少しずつ晴れてきました。
ただ…ここ数日の暑いくらいの陽気の後のせいか
気温的には平年並みでも、やけに寒く感じられます。
…暑ければ暑いで文句を言いますが
寒ければ寒いで、これまたぶつぶつ言ってしまう宗流です。
さて。
本日のお話は、今までちょっとうっかりさっぱり忘れておりましたお話です。
以前、色のお話で青・赤・紫・緑とご紹介した事があったのですが
忘れてならない「黄色」を忘れておりました。
シリーズの間があいてしまいましたが、どうぞ宜しくお付き合い下さい。
黄色、と言って日常生活の中で一番たくさん目にするものと言えば
もしかしたら「黄色信号」かもしれません。
車に乗られる方だけでなく、歩行者もお世話になっていますしね。
この黄色、赤と青(緑)の間に挟まれた形で通常目にしていますが、
実はこの真ん中の位置は、黄色という色を表す形でもあります。
色の分類として、ちょうど赤と緑の中間として表されているのです。
そしてついでにもう一つ、信号と似たものに警告の表示があります。
よく踏切などの周囲に、黒と黄色の組み合わせを目にしますよね。
これも黄色という色の特性を利用しています。
黄色というのは、視認性が高い色だと言われています。
これは簡単にいうと、「目立つ」とよく似た意味をもっています。
この目立つ黄色が、最もその効果を発揮するのが夜の闇の中なのです。
ですから目立つ黄色を更に黒で引き立て、見る者の注意を喚起しているのです。
また、この黄色と黒の組み合わせの事を一般に「警戒色」と呼びます。
余談になりますが、黄色×黒といえば敏感になられる方もいらっしゃいますよね。
阪神タイガースの色です。今回はタイガースのお話は置いておきますが
自然界での黒×黄(例・スズメバチ等)も、毒や力の強さなどをもつ彼らを
他の生物にアピールしているのだとも言われています。
確かに…タイガースカラーはアピール度も満点ですもんね!
呉服の染色としては、黄檗(ミカン科の植物)の樹皮や
刈安(ススキ科の植物)・ウコン(ショウガ科の植物)を始めとする
植物染料が多く用いられています。
この黄色、春には山吹の花が鮮やかな色を見せますが
晩夏や秋の色としても多く用いられています。
これは、おそらく頭を垂れる稲穂や、色づく紅葉・落日の
色のイメージが強いことからなんでしょうね。
日本の四季の色彩にも、なくてはならない大事な一色です。
ちなみに…
この黄色を抽出する「刈安」の染色色素。
これは、ルテオリンという色素を使っているのですが
いつの時期の刈安にも含まれるわけではありません。
ルテオリンは、太陽の光線・特に紫外線から身を守るという特性があります。
そのため、夏の強い日差しを受け終わった八月の終わりが
もっともたくさんのルテオリンを蓄えているというわけです。
ルテオリン…。
紫外線から身を守るなんて素敵な色素です。
私の体の中にもルテオリンが欲しいと願う
紫外線が気になるお年頃の宗流でした。
宗流
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by sou-ryu_mame
| 2009-04-15 17:13
| 色について
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