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きもの検定 きものの歴史 その6




鎌倉~安土桃山時代を経て、きものの歴史も
いよいよ江戸時代まで進んでまいりました。
250年以上続くこの時代は、衣服史の中でも
様々なものが生まれ、そして廃れ、今日のきものという文化への
直接的な発展が見られます。

またこの時代は文化や文様、帯・織物にも多くのものが
流行を見るのですが、今回はざっと流れをご覧いただき、
それぞれのものについてはまた改めて別のお話の中で
詳しく見てまいりたいと思います^^



←きものの歴史 その5



安土桃山時代で衣服の中心的な役割を担うようになった小袖は、
江戸時代に入ると、さらにその意匠を凝らすようになりました。
しかし、それは実質的には武家の世界のお話ではありません。
日本では古くから衣服による身分や社会的地位の区分があり、
その区分は江戸時代を迎えても、身分制度を維持するという
観点から、武家の世界ではそれほど大きな変遷を見る事はありませんでした。


これに対して、いわゆる「奥」の世界に身を置く武家女性たちは
比較的自由に変化を楽しむ事ができたようです。
江戸時代初期は絞り染めや刺繍などが中心となった小袖は
海外貿易による染物(更紗など)や、小袖そのものに絵を描くように
柄行きを描いてゆく友禅染の技法が確立され、小袖の世界は
更に彩りを増してゆきました。
素材に関しても、唐織や金襴など織の技術も発達し、
現在存在する染めや織の多くがこの時代に見られるようになります。

また、この時代の大奥など身分の高い女性の衣装をTVなどで目にすると、
豪華な打ち掛けを羽織った様子を見る事があります。
この表衣の上に外衣を羽織り、裾を長く引く様式は
この時代になって定着したものです。

それと同時に、高い身分の武家女性、裕福な町人女性が贅を凝らした
小袖の衣装に相応しく帯の幅も広くなり、丸帯という帯が生まれ
それに伴って模様付けも袖や裾中心にバリエーションが見られるようになりました。
ちなみにこの時代の豪華な小袖は、いまも国立博物館などで
目にする事ができるのですが、これらの美意識の高さや
意匠の表現力の豊かさには驚かされます。

しかし、そうしたお洒落を楽しんでいたのは
何も裕福な生活を送っていた女性たちばかりではありません。
江戸時代は、町人を始めとした文化が花開いた時代でもあります。
以前は簡素な小袖を纏っていた一般の女性たちも
時代と共に様々な流行を追いかけるようになるのです。
この時代のお洒落のファッションリーダーとなったのは、
歌舞伎役者や遊女たちでした。
女形の彼ら、そして粋を売りにする彼女たちは、
帯の結び方や文様などの流行を生んでゆくのです。



一方、この時代の武家男性の特筆すべき衣装に、
肩衣と袴からなる裃(かみしも)が登場します。
これは江戸時代以前の礼装である素襖(すおう)
の袖を切り取った形のもので、江戸時代はこれを正装として用いられました。
また今現在もその形が残されるものに、羽織があります。
この羽織が生まれたのも江戸時代で、もともとの起源は
安土桃山時代の武家が野外や馬上で用いた胴服なのですが、
この羽織はやがて下級武士や町人が裃の代わりに礼装用として
袴と共に用いられるようになりました。


ざっと駆け足で江戸時代の衣装の様相に触れましたが
小袖が現在のきものの形とあまり相違なくなったものの、
当初から今のような着装方法であったという訳でもありませんでした。
例えば、いま私たちがきものを着用する際に使用する和装小物、
帯揚げ・帯締めが使われるようになったのは
江戸時代の後期と言われています。



また余談となりますが、きものを着用される女性でしたらよくご存じの
「おはしょり」もこの時代にはまだなく、
実際にその方法が取られるようになったのは明治時代でした。
おはしょりは着物の裾を長く引き摺らないよう、
腰のあたりできものをたくしあげて着装するための方法ですが
江戸中期、打ち掛けを着用していた女性たちは室内では裾を長く引いていたため
外出の際には歩行しやすいよう裾をからげて、抱え帯(かかえおび)という
帯を締めていたのですが、現在この時代の様子を映し出したTV等では
あまり見られません。

時代を忠実に描いたものでも、やはりきもののイメージや
見た目の問題でそうなってしまうのでしょうかね。
ちょっとした事なのですが、そんな風な視点から時代劇を見てみると
意外な発見などができ、違う面白さを味わえたりするものです^^



→きものの歴史 その7へ続く






宗流
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by sou-ryu_mame | 2010-07-22 23:32 | きもの検定について

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