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宗流がお届けする小さな豆知識。
by sou-ryu_mame

きもの検定 全国の染織品 関東地方(栃木・埼玉・東京)


こんばんは。
お盆休みに入られた方も多い中、残念ながら台風が。。
みなさまのお住まいの地域では、雨風は大丈夫でしょうか?
13日明け方には温帯低気圧に変わるようですが、
今夜は東北地方を横断の模様…どうぞ北にお住まいの方々に
影響が出ませんように。


さて…今回は前回に続き、関東地方の染織品のご紹介ですが、
まずはのっけからお詫びです。。前回、重大な失敗をやらかしました。
茨城・千葉・群馬の三県のご紹介でしたが、群馬と栃木を間違えました!
すみません…地理がこの上なく苦手な宗流です…^^;

なので、本日は15・17・18・19…の順番なのですが、
お詫びその2があります。実は19番の神奈川県、随分調べたのですが
ご紹介できる染織品が見当たりませんでした。
もっとじっくり探せばあるのでしょうが、今回は残念ながら
先を進めてまいりたいと思いますので、宜しくお願い致します。




きもの検定 全国の染織品 関東地方(栃木・埼玉・東京)_c0163413_0534295.gif






15:栃木県  結城紬(ゆうきつむぎ)
         足利銘仙(あしかがめいせん)





結城紬は前回ご紹介いたしました、鬼怒川沿いの茨城県を中心に
栃木県でも織られています。→結城紬  



栃木県足利市を中心にその近辺で織られている織物を総称し、
足利織物と呼ばれており、この地域では古くから平織の絹物を
織り出し、室町時代頃には旗地として用いられていました。
しかし、足利銘仙と呼ばれる先染めの絹の平織物は
比較的歴史が浅く、明治から大正にかけてつくられたものです。
技術的な革新や人工染料の導入などを経て、大正~昭和初期には
それまでの色柄から大きな変化を持つ大胆でカラフルな絣柄の銘仙が
広く大流行しました。
またこの足利銘仙は紬より柔らかいのですが、シャリ感があり
絵画を思わせるようなモダンな柄行きが特徴です。






17:埼玉県   秩父織(ちちぶおり)
          埼玉裏絹(さいたまうらぎぬ)





秩父織は埼玉県秩父町で織られる絹織物で、秩父町は伊勢崎、足利、
八王子と並ぶ銘仙産地でした。この地方では古くから織物が盛んで
かつては「千々布」とよばれていたそうです。


埼玉裏絹は埼玉県で江戸時代から織られていた着物の裏地用の絹織物です。
特に飯能地方の織物は、古くは高麗(こうらい)絹といわれ、
江戸時代中期には生絹が染色・加工され裏地として人気を呼び、
幕末には飯能絹の名で知られていたそうです。






18:東京都   東京染小紋(とうきょうそめこもん)
          東京友禅(とうきょうゆうぜん)
          長板中形(ながいたちゅうがた)
          注染ゆかた(ちゅうせんゆかた)
          村山大島紬(むらやまおおしまつむぎ)
          多摩織(たまおり)




東京染め小紋は、東京で染められる型染め小紋の総称です。
代表的なものに「東京おしゃれ小紋」と「江戸小紋」があります。
どちらも型紙と色糊を使うのですが、東京おしゃれ小紋は
色数を控えた縞や格子などですが、江戸小紋は一色染めです。
この江戸小紋はもともと武家の裃を起源に持つ格式のある染物で、
通常の小紋がお洒落着なのに対し、江戸小紋は紋をつける事で
準礼装にも対応できます。
またこの江戸小紋という名称は、昭和30年に小宮康助さんを
重要無形文化財保持者に認定する際、他の小紋と区別するため
この名称がつけられたのです。


東京友禅は東京で染められている手描き友禅で、別名江戸友禅
とも呼ばれています。華やかな色柄の京友禅に対し、東京友禅は
渋くあっさりとした色合いが持ち味で、加工工程も各作業を
分業で行う京友禅に対し、東京友禅は一人の友禅作家が構図、
下絵、糸目置き、色挿しなどを全て行います。


長板中形は、江戸時代から続くゆかたの伝統技法で、国の
重要無形文化財に指定されています。しかし、現在ではこの
技法は高い技術を要するため、木綿のゆかた地だけでなく、
麻や絹などの織物にも使われています。
工程は6.5メートルもの長い板に生地を張り、その上に型紙をのせ
ヘラで防染用の糊を置き、裏側からも柄がぴったりと合うように糊を置きます。
その生地を染色液に浸けて表裏に同じ模様を染め抜きます。


注染ゆかたは現在もっとも一般的なゆかたの染織法で、東京だけでなく
大阪・静岡でも多く染められています。
染め方は生地の上に型紙を置いて防染の糊を置き、布をたたみ重ねます。
重ね合わせた生地の上に、再び防染用糊を置いて上から熱くした染料を
注ぎ、下から真空ポンプで吸い上げて両面に染料を通します。
伝統的な紺白のものは「一色染め」多色使いを「差し分け染め」
さらに差し分け染めを繰り返して繊細な模様を染める「細川染め」
と、工程別に様々な種類があります。


村山大島紬は、東京都武蔵村山市を中心に織られる絹織物で、
大島紬に似た風合いを持つのが特徴です。
村山大島紬の最大の特徴は、板締め注入染織法と摺り込み捺染を
併用して染められる絣糸づくりです。


多摩織は、東京都八王子市で織られる織物で、この地域は古くは
奈良時代から織物が盛んで、江戸から明治時代にかけては
絹織物の集散地として栄えました。現在の多摩織は、御召・紬・
風通・変わり綴れ織り・捩り織の五種類をさします。





…ようやく無事に(?)関東地方が終わりました^^;
それにしても、もう何度目かの全国の染織品紹介を終えつつも、
未だに日本の県の位置がビミョーな宗流。。
小学校の社会科からお勉強をしなおしたい気分です!



宗流
by sou-ryu_mame | 2010-08-13 00:54 | きもの検定について

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