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きもの検定 絹について その2


こんばんは。
本日のきもの検定のお勉強は、「絹について」をお伝えしています。
その中でも今シリーズは「糸」ついて中心にお勉強しておりますが
今回はその二回目です。
その1に引き続き、よろしくお付き合い下さいね^^


前回のその1では、繭のライフサイクルと生糸の説明をさせて頂きましたが
今回は織物に使用する撚糸の製造工程をご紹介してまいります。
撚糸は多くの織物を作る原料の糸となりますが、この撚糸にも
いくつかの種類があります。今回はそれを見てまいりましょう。


繭から糸を取り出し、数本合わせた(抱合)糸は表面がセリシンで
固められた状態の生糸となります。
この状態の糸で織物にされる場合もあるのですが、多くの織物は
糸に撚りをかけます。この撚りをかけた糸を撚糸と呼びます。
撚りというのは、簡単にいうと細い紙を指先で転がし、
こよりにする作業と考えて頂くと分かりやすいかもしれませんね。


さて。
繭から取られた生糸は、とよばれる糸の束にされて出荷をされます。
綛を約5kgのほど一まとめに束ねたものを括造りといいます。
この綛糸をまずは静電気防止などのため、油剤につけて柔軟し、
乾燥をさせます。これでまず下準備は完成です。
そして綛になっている糸を大きなボビンに巻き取ります。
ボビンに巻き取られた糸は、目的に合わせて撚りがかけられていきます。
この撚りをかける作業には、大きく分けて二つの方法が取られます。
それが乾いた状態の糸に直接撚りをかける方法、乾式
水で糸を濡らしながら撚りをかける湿式という方法です。
そのそれぞれの方法で撚られた糸の例に、イタリー撚糸八丁撚糸があります。


ちなみに、この撚りという工程はなぜあるのかといいますと、
繭から取られた糸を一本の糸にする際、そのまま糸を合わせただけでは
束ねた糸がほぐれやすく、扱いにくい糸となります。
そこでその糸を合わせる際に軽くより合わせると、糸は扱いやすいだけでなく
丈夫な一本の糸となるのです。
また撚りとはそうした目的に止まらず、生地を織り上げる際にも必要な工程です。
縮緬の生地などを見てみると、表面に凸凹が表れているかと思います。
この凸凹を作るのが撚糸の仕事なのです。
糸に撚りをかけた状態では、前回登場したセリシンが糸の撚りを固定しており、
その糸で織られた生地も、固くごわごわとした凹凸のないものなのですが、
セリシンを溶かす工程(精錬)を行うと、糸を固定していたセリシンが溶け
糸は撚りをかけた状態からまっすぐな状態に戻ろうとします。
ですが経糸と緯糸で織られた生地の状態では生地ははほぐれる事無く
糸がほぐれようとした形跡だけを残すのです。これが生地に凹凸を残すのです。
そしてこの凹凸はシボとよばれ、織物に特有の風合いを持たせるのです。


お話が少し逸れてしまいましたが、撚糸の種類を見てみましょう。
この撚糸の撚り数の単位はT/mで表されます。
これは1mあたりに何回転したかをあらわしています。
1mあたり500回転以下を甘撚糸、500~1000回転以下を並撚糸、
1000~2500回転以下を強撚糸、2500回転以上を極強撚糸と分類します。


また撚りの方向によっても分類され、右撚りの糸をS撚り
左撚りの糸をZ撚りと分類します。
そしてなおかつ、糸の撚り方によっても幾つもの分類に分かれます。
その一部を下にまとめてみます。



・片撚糸…1本または2本以上の糸を引きそろえ右撚か左撚をかけた糸
・諸撚糸…同方向の撚りをかけた片撚糸を2本以上合わせ、逆方向の撚りをかけた糸
・駒撚糸…片撚り(強撚)のかかった糸を2本以上合わせ、さらに片撚りと
反対方向の撚りをかけた糸。
・壁撚糸…片撚りした太い糸と、撚りをかけていない細い糸を引合わせ、
片撚りと反対方向の撚りをかけた糸。
     (太い糸に細い糸が巻きついた形状に見える)




他にも、壁撚糸をさらに何回か繰り返すことにより、糸に玉部(ノット)や
輪節(ループ)などを作る飾撚糸と呼ばれるものや、
嵩高加工糸と呼ばれるものもあり、この嵩高加工糸は
熱をかけて撚った糸を、逆回転させて撚りを解きます。
こうする事で糸はウェーブがかかった、伸縮性のあるものになります。
実はこの嵩高加工糸は、女性にはとても身近な製品に使われています。
それがストッキングです。あの薄くて伸縮性のあるストッキングも、
もとをたどれば撚糸によって出来上がっているのです。
そして少し思い出して頂くと、前回デニール(d)のお話をさせて頂きましたが
ストッキングの表示にもデニールという言葉はよく見られますね。
これも絹糸のデニールと同じものを表しているのです。


撚糸も繊度も、日常の生活の中ではあまり目にする事がないのですが
こうした日常的なものにも使われていると知って頂くと
ほんの少し身近なものと感じていただけるかもしれませんね^^



※ストッキングやタイツは単純にデニールだけでは表すのが難しく、
 ナイロン素材の糸の太さや構造上の違いなどから、絹糸のものとは違いがあります。





宗流
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by sou-ryu_mame | 2010-09-05 18:15 | きもの検定について

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