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きもの検定 文様について3




こんばんは。
本日の京都は気温も相変わらず30℃ほどあったのですが、
真夏日や猛暑日でないだけで、何となくとても涼しい気すら覚えます。
もしかしたら、今年の暑さで体感温度がマヒしちゃってるのかも
しれませんね^^;
こんな時期は体調を崩しやすいものです。みなさまもどうぞお気をつけ下さいね。


さて。
本日も文様のお話シリーズです。
今日は私たちの生活に最も身近な「器物文様」のお話です。
どうぞよろしくお付き合い下さいね^^


器物というのは、私たちが生活の中で手にしたり、実際に使用したりする
ありとあらゆる「もの」に対しての総称です。
しかしながら、文様のモチーフとして使われる「器物」は今現在
私たちが日常的に使う事のないものも多く存在します。
本日はそうした日常的になじみ深いもの、そうでないものの
両方を例を挙げながら、ご紹介してまいりたいと思います。



まずは、現在も日常的に馴染みのあるものからまいりましょう。



扇(末広):
きものを着用する際には、欠かせないものの一つかもしれませんね。
また最近では洋服の際にも持てるようなデザインのものも百貨店など
ではよく見かけるようになりました。
扇をモチーフにしたものには、扇文・扇面など扇そのものの形をあらわすもの、
そして扇の骨に張る紙=地紙や、薄い檜材で作られた檜扇(衵扇・あこめおうぎ)
また流水に扇子を流した様をあらわす扇流しなど、幾つもの文様があります。
これらには美しい花柄などがあしらわれ、訪問着などに華やかな雰囲気を
添えています。



団扇:
夏の夕涼みなどに欠かせない団扇は、日本的な風情を感じさせるものですが
もとは中国から伝わったものとされており、中国では老子の弟子で
八仙の一人・漢鍾離(かんしょうり)の持ち物として知られています。
団扇をモチーフにしたものには、円形や相撲の行司さんが持つ軍配のようなもの、
また四角に近い形のものなどバリエーションも豊富で、季節の風物詩といった
イメージも手伝い、朝顔などの夏の花や流水といった夏を感じるものと
一緒に描かれたり、幾つもの団扇を描いた「散らし」といった様子で
あらわされる事の多い文様です。




本(紙製品):
少し意外な気もしないでもありませんが、本も文様にあらわされています。
しかし、これは現在のような製本された冊子ではなく、芳名録で使用されるような
和綴じの冊子で、冊子文(そうしもん)といわれています。
また紙を使った文様には、短冊・色紙・巻紙(巻子)・結び文などがあります。
これらも季節の美しい花々や流水や山河などと共に描かれますが、多くの場合は
一つではなく、幾つかの違う柄で彩られたものが散らしてある事が多いようです。



熨斗:
「熨斗」も普段何気なく目にしているものなのですが、中でも一番身近なものでは
ご祝儀などを入れる「熨斗袋」かもしれませんね。
熨斗は本来、乾燥させた鮑の身を薄く伸ばしたもの(のしあわび)を祝儀に添える事から
端を発したのですが、現在は袋の端にその名残を示すにとどまっています。
この熨斗を束ねた文様を束ね熨斗といい、吉祥文様の一つとして留袖などによく使われます。
また少し形状が異なり、檀紙という紙で花を包んだ文様を花熨斗といいます。
この花熨斗は室町時代頃、七夕の日に禁裏(御所)へ贈る習わしがあったそうです。
また、ここでお話すると少しややこしいのですが、「熨斗目」という言葉があります。
この熨斗目、よく熨斗と混同される事が多いのですが、実は別のものなのです。
これは本来、男性用のきものでよく見られた「段替わり」の模様の事です。
そしてもう一つ。赤ちゃんのお宮参りの時に着せかける、男児用の祝い着も「のしめ」と
呼ばれています。



楽器:
この文様も、今現在も存在するものなのですが、一般にいう西洋の楽器ではありません。
いわゆる雅楽や能楽に使用される和楽器や琵琶・琴・三味線などの楽器をさします。
これも多くの種類があり、鼓・笙(しょう)・篳篥(しちりき)や龍笛(りゅうてき)
などの笛・琵琶・琴などがよく描かれています。
また少し面白いところでは、琴の弦を支えて音の高低を調節するもの「琴柱(ことじ)」
といったものや、三味線の撥(ばち)などの楽器の一部分が文様になったものもあります。



…私たちに馴染みのあるものは他にも嫌というほどあるのですが、
こればかり挙げているときりがないので、この先は少し今の生活では
あまり目にする機会がないものもご紹介してまいりましょう^^;




尽くし:
これはおめでたい器物文様の代表格ともいえるものかもしれませんね。
この宝尽くしは、もともと中国の仏教用語「雑八宝」というものからきたのですが、
室町時代頃に日本に伝わり、少しアレンジが加えられて今の宝尽くしとなりました。
謂れによると、八つとは限らないとの事ですが、
以下にはよくあらわされる代表的なものを挙げてみました。

打ち出の小槌 … 振れば願いが叶うとされた小槌
丁字 … 香辛料で使うクローブ。昔は香辛料の稀少性が尊ばれる
宝鑰 … (ほうやく)宝の蔵を開ける鍵のこと
隠れ蓑 … 天狗が持つと言われる姿を隠すことのできる蓑
隠れ笠 … 隠れ蓑と同じ力をもつ笠
分銅 … 金や銀の重さをはかる金属の重り
方勝 … (ほうしょう)菱形をした首飾り
金嚢 … (きんのう)お金やお守りを入れる袋
宝珠 … 望みのものを出す不思議な珠
宝巻 … (ほうかん)ありがたい経典の巻き物
筒守り … 宝巻を入れるいれもの


たぶん、どれもこれもきっと有難いものなのだとは思いますが…
あまりに馴染みがなさすぎて、イメージがお伝えできない気がする宗流です^^;

しかし、器物文様はさすがに色々な「もの」をあらわすだけあって
ほんの一部しかご紹介できませんでしたね。
この器物文様はまたいつか時間のある時にでもご紹介できればと思っています。
次回はこれまた種類の多い吉祥文様をご紹介したいと思います!




宗流
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by sou-ryu_mame | 2010-09-14 23:25 | きもの検定について

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