宗流がお届けする小さな豆知識。
by sou-ryu_mame
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きもの検定 文様について4


こんばんは。
本日の京都は朝から気候も涼しく、過ごしやすい一日でした。
そして夕方からは雨。今週は少しずつ天候も下り坂となりそうです。
これで少し足踏みしていた秋の歩みも、ゆっくりと近づいて
くるのかもしれませんね^^




さて。
今夜もお勉強とまいりましょう!
本日は文様の中でも、とりわけ華やかさと強い謂れをもつ
吉祥文様のご紹介です。
この吉祥文様もとても多くの種類があり、その全てをご紹介する事は
できませんが、できるだけ多くの種類をご紹介したいと思います。
どうぞよろしくお付き合い下さいね^^


以前、植物文様のお話の回で「松竹梅」のご紹介をさせて頂いたのですが
この松竹梅などは、特に吉祥文様の代表とも言えるかもしれません。
またこの回のお話で、松竹梅の日本のおめでたい柄という事と同時に
中国では「歳寒の三友」と言われるというお話をお伝えさせていただきました。

実は吉祥文様という文様は、こうした中国から伝わったものと
日本特有のものと、大きく分けて二つに分ける事ができます。
そして、その意味合いについては若干の差異が生じるものがあります。
例えば、先の「松竹梅」は日本にとっては吉祥文様の代表と言えますが
中国の観点では吉祥の意味合いよりは、清廉の象徴という意味合いが強いのです。
したがって、文様の多くが中国から伝わったものであっても
日本の文様と中国の文様では、その意味合いとモチーフに違いがあると
いう事を先にお伝えして、お話を進めてまいりたいと思います。



吉祥文様とはその名前の通り、吉祥を意味するものなのですが
そこには長寿や子孫繁栄、夫婦和合など様々な慶事への祈りが
込められています。
良く知られたものの中では、長寿の鶴亀などがありますね。
これはもともと中国から伝わったものなのですが、日本でも同じ意味合いで
吉祥の文様としてよく使われています。
実際は定かではありませんが、鶴は千年・亀は万年と申しますものね^^

では、まずは中国から伝わった吉祥文様の幾つかを挙げてみたいと思います。



鳳凰 … 吉祥の兆しをあらわす瑞鳥であると同時に、本来「鳳」は雄、
   「凰」は雌と言われ番(つがい)で描かれる事も多く、婚礼用の衣装にも多用される。


 … 神獣と位置づけられ、水を司る生き物とも言われる。


 … 中国では雲は万物を生むものとされ、神や精霊が宿る神聖なものとされている。


 … 登竜門伝説(鯉の滝登り)でも知られる鯉は、滝を登り切ると龍に変化し
  天へ昇ると言われており、立身出世の象徴とされている。


蝙蝠 … こうもりは中国では漢字の「蝙蝠」が「福」の音につながることから
   吉祥の文様として好まれている。



何となく、中国から伝わった文様はその謂れ自体が大らかな気がしませんか?
広大な大陸気風がそう思わせるのでしょうかね^^
では、次に日本で生まれた吉祥文様を見てみましょう。


貝桶 … 平安貴族の子女の遊びの「貝合わせ」で使う美しい絵柄を描いた
   蛤の貝を入れる容器。この貝合わせは対になった二枚同士しか貝殻が合わないため
   貝合わせの文様は夫婦和合の象徴といわれる。また貝桶自体も吉祥文様。



 … 右近の橘・左近の桜という言葉でも知られる橘は日本生まれの吉祥文様で、
  長寿を招き子宝に恵まれるとの謂れがある。



王朝貴族の調度品 … 貴族の邸にしつらえられた御簾や御所車なども日本では
  吉祥文様として使われる。こうした調度品の類は、謂れを重視するというよりは
  王朝風の雅やかな風情が、華やかなイメージを持つ婚礼衣装などに似つかわしく、
  モチーフの美しさそのものに吉祥文様の雰囲気が重ね合わされたのではないかと言われる。



この他にも、前回ご紹介した「熨斗」や「檜扇」も日本生まれの吉祥文様と
言われています。
今回もあまりたくさんはご紹介できなかったのですが、吉祥文様という概念は
お祝い事を祝う気持ちや、幸せを願う気持ちから生まれたものです。
この吉祥文様は、自分自身に対してという事ももちろんあるのでしょうが、
相手の慶事を願う場においてこそ多様されるのも、そうした気持ちの
表れなのです。
ですから、特に人生において幸せの門出でもある婚礼の際などには、
相手の幸せを願う意味合いを文様に込め、礼装で敬意をはらうという観点から
衣服を正して出席に臨んだのが始まりなのかもしれませんね。

なお、日本生まれの吉祥文様の持つ特徴の一つとして、先に述べた
雅やかな風情を持つ王朝風のものが、吉祥文様とされた所以として、
平安時代中期~後期の国風文化の発達があるのだとされています。
それまで中国の文化が色濃く文化に影響していたものが、独自の国風文化が
花開くことにより、そうした貴族の生活に対しての憧憬の念が吉祥文様として
好まれるようになったのではないかといわれています。


とはいえ…実際にその当時の内情に通じていないので分からないのですが、
でも、優雅で豊かな暮らしぶりというものに憧れを抱くというのも
何となく分かるような気がしますね。
贅沢が幸せの基準ではないものの、気持ちがゆったりとしておっとりと毎日を
過ごせるという事は、ある意味幸せと言える気がする宗流です^^



宗流
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by sou-ryu_mame | 2010-09-15 23:57 | きもの検定について

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