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by sou-ryu_mame
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きもの検定 文様について5



こんばんは。
本日も京都は昨日に引き続き、涼しく過ごしやすい一日でした。
今日は半袖で出勤していたのですが、行き帰りの空気が
ひんやりとして心地いい事!
空調も必要ないくらいの自然な心地よさを感じるのは
一年の中でもそう多くないような気がします。
中でも私は春の空気より、初秋の爽やかな空気が大好きです^^



さて。
今日も文様のお話が続きます^^
本日は「割付文様」のお話です。
どうぞよろしくお付き合い下さいね!


割付文様…きものや文様が身近でないと、少し聞き慣れない言葉かもしれません。
この文様は、絵画的な吉祥文様などの類とは少し異なり、デザイン的な
要素の強い文様です。パターンとしては三角形や四角形、円形などの模様が
前後左右に繰り返された文様をさします。

一見すると単調にも見えるかもしれませんが、その端的な様子の中にも
計算された間の美しさや、古の日本人の美意識の高さが垣間見え、
長い歴史を経てもなお色褪せない魅力を私たちに見せてくれます。
今日はそうした割付文様の中から、デザインとしての文様に加え
特別な意味合いを持つ幾つかの文様をご紹介させて頂きます。




麻の葉文 … 正六角形を基調にした文様で、六個の三角形を組み合わせ、
      それを四方につなげたものです。
      この麻の葉は名前の通り、麻の葉っぱをあらわしたものなのですが、
      麻の葉はとても生育が早い事から、昔は赤ちゃんの初着の柄に使われ
      ました。また江戸時代後期に歌舞伎役者の嵐璃寛が「妹背門松」の
      娘役を演じた際の衣装の柄であったため、この柄は別名「お染形」とも
      呼ばれています。



石畳文 … 色の違う正方形を交互に上下左右に並べた文様で、平安時代には
     「霰(あられ)」とよばれ、有職文様の一つとされていました。
      その後、江戸時代になると上方の歌舞伎役者・佐野川市松が舞台衣装
      にこの柄の袴を愛用していたことから、市松文様と呼ばれるように
      なりました。



鱗文 … 色柄の違う正三角形または二等辺三角形を、各頂点を合わせて連続して
     配置した文様で、その三角形の並ぶ様子から魚や蛇などの鱗に見立て、
     この鱗文という名称がつけられました。またこの鱗文は厄除けの印とも
     知られており、女性の厄年(33歳)にはこの柄の襦袢を身につけ、厄を   
     逃れる風習があります。



亀甲文 … 六角形を上下左右に組み合わせた文様で、その形が亀の甲羅の模様を
      イメージさせることから亀甲文とよばれるようになりました。
      この亀甲文はとてもバリエーションが多く、亀甲の中に花を描いた
      「花菱亀甲」、亀甲を三つつなげた形の「毘沙門亀甲」など、亀甲に他の
      模様を組み合わせたものが多く見られます。



 … 直線の太さや色を変え、平行に組み合わされた単純明解な文様ですが
    縦じまだけでなく、横じまや格子状に組み合わされたものも縞とよびます。
    古くは南方諸島で織られていた木綿の生地が日本に伝わった際、その生地に
    織り出されたこの模様は「島」の字をあてられていました。それが江戸時代
    頃になって「縞」という字があてられるようになりました。
    バリエーションとして太い縞の左右に細縞をもつ「子持ち縞」、太めの縞を
    濃い色から薄色へとグラデーションをつけて並べたものを鰹の体色に見立てた
    「鰹縞」、様々な太さや色の縞を並行に組み合わせた「矢鱈縞」など、その直線
    の組み合わせが生む名称はとても多く存在します。



格子 … 縦と横の方向に線が組み合わされたものを格子とよび、もともとはこれを
     格子縞とよんでいました。この格子柄の特徴として、子持ち縞と同じく
     太い線の横に細い線を合わせて格子に組んだものを子持ち格子と呼ぶように、
     その形状から連想されるものも多いのですが、歌舞伎役者などの演者がその
     名称の由来となるものが大変多く存在します。歌舞伎の演目「勧進帳」で
     弁慶の身につけている濃淡の太い線を格子に組んだもの「弁慶縞」や、
     中村勘三郎が身に着けていた格子「中村格子」、三代目尾上菊五郎の
     「菊五郎格子」や市川団十郎が一谷武者画土産で岡部六弥太に扮した際の
     裃の柄に使われた「六弥太格子」などがあります。



七宝 … 同じ大きさの円を、円周の1/4ずつ重ねた文様で、有職文様では輪違いとも
     よばれています。この七宝はもともと名前の通り、七つの宝物を示す仏教用語で
     金・銀・瑠璃・破璃(はり)・珊瑚・瑪瑙(めのう)・蝦蛄(しゃこ貝)の
     七つをあらわしています。



 … 菱は四本の斜線に囲まれた形で、この菱をつなぐと菱繋ぎや斜め格子、襷文など
    ともよばれます。この菱も有職文様の一つで、菱型の中に花を描いた「花菱」
    羽を広げた鶴が向かい合わせて菱形をかたどった「向い鶴菱」、菱形を四つ
    組み合わせた「四つ菱」、菱形の上に小さな菱形をのせてつないだものが、松の
    表皮に似ているところからついた「松皮菱」など、バリエーションも豊富です。




…今日は少し多めの文様をご紹介できたでしょうか^^
ただ、文章で説明させて頂くだけでは、なかなかイメージがつかみづらいかも
しれませんね。ゴメンナサイ

割付文様は、先にも述べましたがとても簡素な線や面の組み合わせの文様です。
しかし「この簡素な」という点は簡単そうに見えて、とても難しいものかもしれません。
過飾に過ぎないというのは、逆に言えば必要なものを最小限に使うという事です。
ごまかしがきかない、ともいえるかもしれませんね。
Simple is the best だからこそ長く見ても飽きず、応用も効く。
こうしたデザインにおいてだけでなく、色々な面において簡素というものは
基本の概念として持ち続けたい、そう思う宗流です^^




宗流     
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by sou-ryu_mame | 2010-09-16 23:27 | きもの検定について

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