宗流がお届けする小さな豆知識。
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カテゴリ:色について( 11 )

大和撫子の色 ?


おはようございます。
本日の京都は朝からいいお天気。
今日は暑くなりそうな気配です!


さて…
前回から約20日ほど経ちましたが、「宗流まめ知識」
まだひっそりと連載中です!
どうぞ宜しくお願いします。


今日は色のお話、「ピンク色」についてです。
ピンク色…何と言っても可愛らしい色です。
淡いピンクは清楚な、濃いピンクはキュートなイメージでしょうか。

また、他にもこの色が与えるイメージとしては
若さや可愛らしさ、そして精神的な落ち着きといったものと言われています。
若さ・可愛らしさというイメージは、色から受ける
視的感覚による部分が大きいのかもしれませんね。
ですが、精神的な落ち着きというイメージは
この色の構成上、論理的に解釈することが可能です。
ピンク色を構成する暖色系の赤は温かみを与え、
もう一色の寒色系の白は精神を落ち着かせる効果があります。
その二色からなるピンクはお互いのいい部分を
加味した色とも言えるのでしょうね。

ところでこのピンク色、調べてみたところ
英語圏ではお花の「撫子(なでしこ)」の色から
この色を「撫子色」と呼ぶそうです。
またもともと英語の「pink」は「撫子」を表す言葉だったとか。
ちなみに、ヨーロッパ圏では「バラ色」となるそうです。
日本では「桃色」「桜色」の色がそれに挙げられるかと思います。
でも英語圏の「pink」に対応した色で言えば「撫子色」となります。
もちろんこの日本の「撫子色」もピンク系統の色です。

ちょっとややこしい気もしますが、
どれも美しい花の色から派生した事は間違いなさそうです。
花の色の美しさに心魅かれるのは、万国共通なのでしょうね。

そう思うと、どれも確かにピンク色のものではありますが、
随分幅を持たせた表現ではありますね。
現代のように明確なカラーチップなどが流通していない当時、
名前が示す色合いというものは、まずは各人のイメージが先行し、
また季節や花の個体にもよって左右されていたのかもしれませんね。



ちなみに…撫子といえば、宗流が真っ先に思い浮かぶ言葉が
「大和撫子」です。これは男性上位の概念が強かった頃、
控えめながらも凛として、常に男性を立てて一歩後ろをついていく、
といった女性象を表す言葉です。

確かに広い日本を探すと、「大和撫子」のような
麗しい女性は多くいらっしゃるかとは思いますが、
今のところ自分を含めてなかなか周囲に
その存在を感じた事はありません…。
様々な花が交配や品種改良を重ねて新しい品種が生まれるように
もしかしたら日本の女性も数代にわたるうちに
社会環境的に、心理的に、改良を余儀なくされちゃったのかも。
もしかしたら…
純正の「日本男児」「大和撫子」は、今世紀末くらいには
特別天然記念物に指定!くらいになるかもしれませんね…。



宗流


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by sou-ryu_mame | 2009-05-26 09:54 | 色について

母なる大地の色


こんばんは。
本日の京都は午前中は少し小雨がぱらついていましたが
午後からはとてもよいお天気になりました。
先日、とうとう長かったGWも終わり、
いよいよお仕事のエンジンがかかりそうになった所でまたお休み。
エンジンが本調子になるまでにずいぶん時間のかかりそうな宗流です。


さて。
前回からの「色」のお話から日数が経ってしまいましたが
今日は「色のお話、茶色」のお話です。
本日も宜しくお付き合い下さいませ。


茶色…この色からイメージするものと言えば何でしょう、
とてもたくさんありますね。
木の色、土の色、髪や目の色、ほうじ茶の色、などなど…。
この色は私たちの生活や自然の中で、様々なものの「色」
として存在しているように思います。

その一例として、江戸時代に生まれた古い言葉ではありますが、
「四十八茶 百鼠」というものがあります。
これは読んだまま48色の茶色と100色のネズミ色、という
訳ではなく、バリエーションの豊かな様を表しているそうです。
それほどたくさんの種類をもつ茶色は
私たちにも馴染みの深い一色です。


この赤味と黒味との中間のような「茶色」。これは室町時代頃から
お茶の葉を蒸して煮出した煮汁を染料として使用していた事から
この名前がついたと言われています。
そして、名前は「茶」がついていてもやや緑がかった「抹茶色」や
青みと緑色の強い「青茶色」という色があるのはこのためです。

また、この茶色が表す感覚的なイメージの一つとして、「秋」が
挙げられる事があると思います。
秋…実りの秋・豊穣の季節です。これもお米などの稲穂から
連想される色です。そして、この実りを支える肥沃な大地の色。
それもまた茶色のイメージとしてよく挙げられます。


ところで、全くの余談なのですがみなさんのお住まいの地域の
「マクドナルドの看板」の色は何色でしょうか?
会社のイメージとしては赤色を想像する宗流ですが、
やはり赤色の看板が多いのでしょうか…?
なぜそんな話が出たかというと、実は京都のマクドナルドの看板は
赤色ではなく、少し赤味のある茶色なのです。

以前ちょっと聞いた事があるのですが、京都では派手な色の看板は
京都市の条例により、街の景観を損ねるという理由から、
設置が出来ない事になっているのだそう。
ですから、赤のイメージの強いマクドナルドの看板も
京都の街中では「茶色」の看板なのだとか。
確かに、赤色と茶色ではどちらが控えめな雰囲気かと問われれば
茶色と答えるような気がします。


そう思うと、確かに茶色ってそんなイメージがあります。
赤や黄色のような派手やかさはありませんが、
地味でも奥ゆかしい味わいがあり、どこか豊かな雰囲気を感じます。
そのイメージって…もしかしたら「日本のお母さん」ではないでしょうか?
大地が様々なものを生み出す母と呼ばれるように、
お母さんも、新しい命を生み出す存在ですものね。


…もちろん、現代のお母さんは茶色だけでなく、
ピンクやイエロー、またパステルカラーなどの
可愛らしい色が似合う方々も大変多いのですが…。




宗流


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by sou-ryu_mame | 2009-05-08 18:17 | 色について

幸せに染まる色


こんばんは。
本日の京都はここしばらくの暖かさから少しはずれ、
ちょっと肌寒さを感じる気候でした。
それでももう冬の寒さに戻る気配はなさそうで
あとはどんどん気温上昇の一途なんでしょうね。


さて、先日は色のお話「黒」をお送りいたしましたので
本日は相対して「白」のお話をお送りいたします。
どうぞ宜しくお付き合いお願いします。

白…この色で一番に思いつくイメージは
女性でしかも未婚の方は(私を含め)、結婚式のドレスもしくは
白い打掛、という方も多いかもしれませんね。
また、真っ白なキャンバス、というものもあるかも。

この二つに共通する事柄として、「白」という色が
他者の色に染められる、という事に思います。
ウェディングドレスでも、「あなた色に…」って言いますものね。
そしてこの何色にでも染まるという点は、和装の中でも
大きな意味をもちます。

以前、絹のお話で織り上がったばかりの白生地に
「製練」という加工を施す、という工程をお伝えしたと思います。
絹糸についているセリシンという膠状の物質を落とし、
生地に柔軟性を与える工程なのですが、この製練が
終わったばかりの、「練上がり(ねりあがり)」の生地は
染め加工に出す前は白色をしています。
この生地を指定された色に染めていくのですが、
白を指定された場合も、このままの白い生地ではなく、
ちゃんと白色に染め上げます。

その白色を染めるための染料は「蛍光染料」とよばれるものを使います。
この蛍光染料は染料の一種で、蛍光増白剤ともよばれます。
これは生地や糸などに存在する黄色系の色を隠す働きがあります。
練上がりの生地は薄い生成色をしています。
そのためこの蛍光染料を用いて、生地を白く染め上げるのです。

何となく…
白って「そのままの色」っていうイメージを
お持ちの方も多いかもしれませんね。
ですが、ものには多かれ少なかれ、「色」が存在しています。
白に関しても「白」という色を染めてあるのです。

ですが、やはりこの「白」は他の色にほぼ影響を与えず
どんな色にも染まる、という点はあります。
だからこそ、新たな道を歩んでゆくお二人の色と言えるのです。
もしかしたら、「白」という色が多少人の手を加える事を思うと、
まっさらな色じゃないじゃないか、とのお話もあるかもしれませんね。

でも…それは人と同じような気がします。
人だって、生まれて何も知らないまま、誰かと生きるわけじゃありません。
知る事もあってこそのご縁。白色についても同じかも。
染色というご縁があるからこそ、美しい純白を得て
どんな色にも染まるのかもしれませんね。


宗流


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by sou-ryu_mame | 2009-04-23 19:17 | 色について

中立の色

こんにちは。
本日の京都は、今のところまだ曇り空ですが、
午後からは雨のよう。でも、今にも降り出しそうです…。


さて、本日は色のお話、「黒」をご紹介いたします。
どうぞ宜しくお付き合い下さいね。

黒…どちかというと色合いのせいか、ダークなイメージが
否めない色かもしれませんね。
弔事の色、闇の色、ブラックリスト、などなど…。
ですが、そうした負のイメージばかりではありません。

収支決算などの時に使われる「黒字」などは「赤字」に
比べるとはるかにいいものです。
そして、黒は他の色に比べ、何色にも染まらないという性質より、
裁判官や審判員などの、中立を守るべき職業の
衣服の色にも用いられています。
確かに、TVなどで放映される法廷のシーンでは、
裁判官は黒い着衣を身に付けていますものね。

ところで、この黒色。「色」として使用されていたのは
はるか数千年も前の事だそうです。
その頃は今のような染料ではなく、油を燃焼させて得られる「すす」を
使っていたそうです。
これは他の染料より生産効率という点では劣りますが、
色彩としての美しさは高く支持されていたようです。
そして、この油煙の「すす」を使ったものは「ランプブラック」
と呼ばれています。

この「すす」を使う黒色には、他にも有名なものに
「ピーチブラック」という色があります。
これは桃の核(種)を炭化させて取られる染料です。
他に葡萄の蔓を炭化させた、バインブラックなどもあります。
こうしてみると、黒色というものは
何かを炭化させて出来たものが多いようですね。

現在では檳榔子(ビンロウジ)や楊梅(ヤマモモ)等の
染料で下染めたものを鉄媒染して染め上げています。
また現代の日本でもモノトーンとして不動の人気を博す黒色は、
江戸時代にも小袖などに多用され、とても人気があったそうです。
そしてもっとさかのぼり、平安時代後期には
紫色・緋色に代わり、高貴な色として扱われていました。
確かに、黒色って高級感があるように思いませんか?

ちなみに、この高級感という意味では
白色が上品なイメージを与えるのに対し、黒色には重量感を伴った
高級感というイメージがあります。
黒塗りの高級車、という言い方もこれにあてはまるのでしょうか。
そして実際に、視覚的なイメージが与える重量感の実験では
同じ質量の物質の白色と黒色のものでは、黒の方が約1.8倍
重みを感じるというデータがあるとの事でした。

でも…いくら実験データで黒に感覚的重量感があるとはいえ
実際に重いわけではありません。
そして、洋服に関しては、膨張色の白より引き締まった感のある黒色を
つい選びたくなる宗流です。(←少しでも細く!の、オンナゴコロです!)


宗流


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by sou-ryu_mame | 2009-04-21 11:57 | 色について

注意喚起の色…?


こんにちは。
本日の京都は、朝のうちは昨日の雨が残っていましたが
午後からは少しずつ晴れてきました。
ただ…ここ数日の暑いくらいの陽気の後のせいか
気温的には平年並みでも、やけに寒く感じられます。

…暑ければ暑いで文句を言いますが
寒ければ寒いで、これまたぶつぶつ言ってしまう宗流です。

さて。
本日のお話は、今までちょっとうっかりさっぱり忘れておりましたお話です。
以前、色のお話で青・赤・紫・緑とご紹介した事があったのですが
忘れてならない「黄色」を忘れておりました。
シリーズの間があいてしまいましたが、どうぞ宜しくお付き合い下さい。


黄色、と言って日常生活の中で一番たくさん目にするものと言えば
もしかしたら「黄色信号」かもしれません。
車に乗られる方だけでなく、歩行者もお世話になっていますしね。
この黄色、赤と青(緑)の間に挟まれた形で通常目にしていますが、
実はこの真ん中の位置は、黄色という色を表す形でもあります。
色の分類として、ちょうど赤と緑の中間として表されているのです。

そしてついでにもう一つ、信号と似たものに警告の表示があります。
よく踏切などの周囲に、黒と黄色の組み合わせを目にしますよね。
これも黄色という色の特性を利用しています。
黄色というのは、視認性が高い色だと言われています。
これは簡単にいうと、「目立つ」とよく似た意味をもっています。
この目立つ黄色が、最もその効果を発揮するのが夜の闇の中なのです。
ですから目立つ黄色を更に黒で引き立て、見る者の注意を喚起しているのです。
また、この黄色と黒の組み合わせの事を一般に「警戒色」と呼びます。

余談になりますが、黄色×黒といえば敏感になられる方もいらっしゃいますよね。
阪神タイガースの色です。今回はタイガースのお話は置いておきますが
自然界での黒×黄(例・スズメバチ等)も、毒や力の強さなどをもつ彼らを
他の生物にアピールしているのだとも言われています。
確かに…タイガースカラーはアピール度も満点ですもんね!


呉服の染色としては、黄檗(ミカン科の植物)の樹皮や
刈安(ススキ科の植物)・ウコン(ショウガ科の植物)を始めとする
植物染料が多く用いられています。

この黄色、春には山吹の花が鮮やかな色を見せますが
晩夏や秋の色としても多く用いられています。
これは、おそらく頭を垂れる稲穂や、色づく紅葉・落日の
色のイメージが強いことからなんでしょうね。
日本の四季の色彩にも、なくてはならない大事な一色です。

ちなみに…
この黄色を抽出する「刈安」の染色色素。
これは、ルテオリンという色素を使っているのですが
いつの時期の刈安にも含まれるわけではありません。
ルテオリンは、太陽の光線・特に紫外線から身を守るという特性があります。
そのため、夏の強い日差しを受け終わった八月の終わりが
もっともたくさんのルテオリンを蓄えているというわけです。

ルテオリン…。
紫外線から身を守るなんて素敵な色素です。
私の体の中にもルテオリンが欲しいと願う
紫外線が気になるお年頃の宗流でした。



宗流


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by sou-ryu_mame | 2009-04-15 17:13 | 色について

癒しの色


こんばんは。
本日の京都は暖かかった昨日に引き続き
表で少し動くと暑く感じるほどの陽気でした。
暖かいのは非常に嬉しいことなのですが…
あまり気持ちのよい気候は、眠気を誘うのが難点です。
…私の気の緩み具合が多分に影響してるのでしょうが。


さて、本日は「色のお話」の第四回目。
今日は「緑色」についてのお話です。

「緑色」といえば、まず真っ先に思いつくものとして
木々や草花の葉っぱの色かもしれません。
ガーデニングなどお好きな方には、最も身近な色の一つでしょうね。

私たちに比較的身近なこの「緑色」
これほど緑が身近にあると、この緑の葉を利用して
染色を行うのも簡単だと思われる方も多いかと思います。
ですが、現在のところ自然界では単体のものを用いて
緑色を染め上げるのは、とても困難なことなのです。

実は、緑色の葉に含まれる色素は、煮出したりして生地に染める
まではきれいな緑色が発色するのですが、持続性に欠け、
せっかくきれいに染まっていてもすぐに色あせてしまいます。
そのため、天然染料を用いる染色の場合、
青系の色と黄色系の色を重ね染めして、緑色を染めます。
これには先日登場しました藍などの青色と
刈安(かりやす)やウコンなどの黄色が用いられます。
これほど多くの緑が生活の中に存在しているせいか、
ちょっと残念な気さえしてきます。

緑色にも、大変多くのバリエーションがあります。
黄がかったものや、青みのあるもの等、自然界の中で
木々の緑が季節によって色を変える様や
植物の葉もその品種によって様々な色や形があるのと同じです。

ほんの一部をご紹介すると…
・緑みのさえた黄緑「萌黄色」 ・黄みの深い黄緑「苔色」
・青みのさえた緑「青竹色」 ・薄い青緑「水浅黄色」…等です。

日本に四季があるように、自然にも四季がある。
そして、四季を彩る木々の緑色も、その四季によって色を変える。
そうした様子が緑色だけに限らず、
様々な色を作り出す原点なのかもしれませんね。


ところで、この「緑色」
実は「食」の世界では、その色が濃く青みがかかるほど
食欲を減退させる色としても知られています。
また、ダイエットをされていらっしゃる方には
食器やスプーンなどのカトラリーグッズを青緑にすると
食欲が抑えられるそうです。

けれど、きれいに盛り付けられたお料理に、
ほんの少しグリーンが添えてあると、美味しそうに見えますよね。
これはどういう事かと申しますと、
人間は色彩を感知し、その色の与えるイメージによって
行動や受ける印象が変わってくるのですが、
緑色に関しては「黄緑色」に近付く事により、食欲が増すのだそうです。
根拠としてのお話は解りませんが、確かに青々とした樹木の葉の緑より
柔らかそうな黄緑色のレタスの方が美味しそうに感じます…。


そして、これは余談なのですが
英語では「嫉妬」の事を「Green-eyed-monster」(緑の目の怪物)
と、呼ぶそうです。
確かに怖いのですが、なぜ緑なんでしょうね?

緑を見て癒される事は多いのですが
目が緑になってしまうのは…いただけません。



宗流


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by sou-ryu_mame | 2009-03-18 18:32 | 色について

高貴な色


こんばんは。
本日の京都はお天気もまずまずでしたが、
暖かな気候の一日でした。
今日は週明け一日目、今週はどんな一週間になるのかな?


さて、本日はいつの間にかシリーズ化した「色のお話」
第三回目です。
今日は「紫色」のお話です。


紫といえば…直接的な色の事ではありませんが春が過ぎる頃になると
天気予報でもよくこの色のついたものが話題に上ります。「紫外線」です。
これは実は直接的でないとはいったものの、紫の色と関係があります。
虹を構成する六色の色(赤・オレンジ・黄・緑・青・紫)のうち、
紫色は光の波長が最も短いそうです。(380~430nm)
そしてこれより波長が短いものを紫外線といいます。
またよく化粧品などに明記される「UV」は
英語の「Ultraviolet」から略されたものだそうです。
これも紫色と関わりがある名称の一つです。

紫外線は殺菌消毒、ビタミンDの合成などに有用なのですが、
皮膚のメラニン色素を沈着させてしまい、それがシミの原因となります。
女性にとってはちょっと怖い物の一つかもしれませんね…。


さて、ちょっと話が逸れましたが、本題に戻ります。
和装などの染色の世界では、紫を染めるのには大きく二通りがあります。
一つは「紫草」と呼ばれる植物の根を用いて染める方法です。
この紫草は北海道、本州・九州の広い地域に自生する植物ですが
特に江戸時代、東北地方の南部藩が幕府・朝廷にこの紫草で
染めた絞り染めを献上したことから、「南部紫根染」「南部絞」と
呼ばれ、現在でも伝統産業の一つとして残っています。
そしてこの「紫根」に含まれる紫色の色素成分を
この植物から名をとってシコニン (Shikonin) と呼ばれています。

またその他の方法では、前回に登場した紅花と
前々回の藍を組み合わせて染めた「二藍(ふたあい)」と呼ばれるものです。
これは「二つの藍色」という意味ではなく、「藍=色」という
意味合いで、赤色と青色自体を指しています。


紫色…この色も大変多くのバリエーションがある色です。
まず大きく分けると、青みの紫と赤みの紫です。
江戸時代頃、紫色には関東と関西がありました。
とはいえ、名称と比較的地域性の好みが現れた、というものですが。
一つは「江戸紫」、もう一つは「京紫」と呼ばれるもので
「江戸紫」は青味のある渋めの紫、そして「京紫」は、赤みの紫です。
これは、江戸の渋好みと京の雅やかな好みが、
色に反映した一つの例といえるのでしょうね。

その他に、「葡萄(ぶどう・えび)色」「菫(すみれ)色」など
自然の持つ色などが名前になったもの、
「二藍」や「消紫(けしむらさき)→染液を一晩寝かせ、色素が分解し
ネズミ色がかったところで染める色」など、染めの方法が
そのまま色の名称となったものがあります。


紫色といえば、やはり高貴な色というイメージがありますね。
これは聖徳太子の時代、身分の階級によって使用できる色を決めた
「冠位十二階」においても最高位の色とされていたからなのですが、
この紫を染める「紫根」がとても高価で染めにも高い技術を要する事も
最上位の色となった理由の一つだそうです。


しかし…
私は今の現代に生まれて幸せだと思います。
そもそも色は染料の安価・高価はあるにせよ
色自体に順位があるわけではありません。
なおかつ身分によって着用してはいけない色があるなんて
現在からみれば滑稽なお話にも思えます。
色の順位ではなく、色の好みで衣服や持ち物が選べる
それができないような不自由な時代に生まれなくてよかったものです。


宗流


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by sou-ryu_mame | 2009-03-16 22:19 | 色について

太陽の花


こんばんは。
本日の京都は、午前中は昨夜の雨が残っていましたが
午後からは雨も上がり、久々の青空が戻ってきました。
ただ風はとても冷たく、春の暖かなものとは
程遠いものでしたが…。


さて、今日は昨日の「藍」に続き、色のお話です。
どうやら、この色シリーズも何となく続きそうな予感…。
どうぞお付き合い下さいね。


唐突ですが、みなさまのイメージの中で
「赤色」を表すもので真っ先に思い浮かぶものって何でしょうか?
太陽・火・血…季節柄、苺というのもあるかもしれませんね。
この赤色、色の中では、生命の躍動のイメージに最も近い色だと
いうお話を聞いたことがあります。
万物の母とも言われる海の青や、植物の生命を表す緑も
同じ意味合いがあるのかもしれませんが、
寒色系のそれらが、穏やかさを持ちあわすのに対し
躍動感という点では、赤が優っているように思います。
特に濃い赤色は情熱的な色ですものね。


ところで、この赤色ですが、染色(天然染料)の中では
「紅花」という植物由来の色素で染められる場合が多くあります。
ですが、この花自体は「紅」という名前こそついていますが
花の色は黄色、もしくは薄朱色(オレンジ色)が主とされます。

この黄色い花からどうやって赤い色素を取り出すのかというと、
まず花びらを水に浸してよく揉みます。
すると、水は黄色の色素(サフロール黄)で黄色く染まります。
そのまま揉み続けると、やがて黄色の色素が出切ります。
その後、花びらをいったん取り出し、灰汁の中に浸けておくと
水に赤色の色素(カーサミン)が溶け出します。
染色は、その赤の色素が溶け出したもので行われるのです。

紅花の歴史は古く、原産国でもあるエチオピアからエジプトにかけては
ミイラを包む布をこの紅花で染めていたとも言われています。
その後、この紅花は中国に渡り、そこから日本にも伝わったそうです。


また、紅花は古くから文学の世界でもたびたび引用がされてきました。
古いところでは万葉集・古今集にも登場しています。
よく知られるお話では、源氏物語にもこの紅花は登場します。
と、いっても花自体ではなく、名称なのですが…。
常陸宮の姫君である「末摘花」は、紅花の異名なのです。
残念ながらこの姫君は、美貌の姫君が多数登場する源氏物語の中では
容姿が優れた女性としては描かれていません。
鼻が赤いこの姫君は、花の赤い紅花とかけて「末摘花」という
あまり嬉しくない愛称(?)を光源氏につけられてしまいます。


ですが、この「末摘花」は、大変古風で一途な女性として描かれています。
確かに容姿は良くは描かれていませんが、
たとえ磊落しようとも貴族としての誇りを保ち
八年もの長い月日を源氏一途に思い続ける女性なのです。

そう思えば…
この「末摘花」の名前はもしかしたら、鼻の赤いという揶揄だけでなく
紅花の色のような情熱的な心を、密やかに内に内包する女性、
という意味でつけられたのかもしれません。
もちろん、これは私の想像の域でのお話ですが…。



宗流


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by sou-ryu_mame | 2009-03-14 21:19 | 色について

Japan blue


こんばんは。
本日の京都は、朝からずっと雨降りでした。
そして、今もまだ降り続いてます。
もうそろそろ雨にも飽きてきた頃ですが、
花粉症の方には嬉しい雨なんでしょうね…。


さて、今日は雨→水→青…という事で(?)
超独断的に、青の色についてのお話です。

青という色で現代の衣生活の中で、最も身近なものといえば、
ジーンズに代表される「インディゴブルー」かもしれません。
男女を問わず多くの人が身に付ける、という点ではブルージーンズを
しのぐものを探す方が大変かもしれませんね。

この「インディゴ」
これはタデ科の蓼藍(たであい)やマメ科のインド藍等の植物に含まれる
天然染料として使われてきたものといわれています。
そして、このブルーの色素の原料である「蓼藍」は
呉服業界でもなくてはならないものなのです。


藍染(あいぞめ)という言葉を耳にされた事のある方は多いかと思います。
これは緑色の藍の葉から抽出される青い色素で染める染物です。
その染色には、二つの方法があります。
一つは生葉染と呼ばれる方法です。
この方法はいたってシンプルで、刈り取った藍の葉を細かく刻み
少量の酢を入れた水の中で揉み、色素を取り出します。
その藍の葉の色素で染まった水で生地を染めるのです。

そして、もう一つの方法が「灰汁建発酵染(あくだてはっこうぞめ)」と
よばれる方法です。
この方法は前者のシンプルな方法に比べ、時間と手間がかかります。

まずは「蒅(すくも)」とよばれる染めの原料を作ります。
これは刈り取った藍の葉にむしろをかけて水をかけて三か月ほど発酵させます。
その出来上がった堆肥状の蒅、木灰汁、ふすま、石灰水をかめの中に入れ
一週間から10日ほど待ちます。
すると、「藍の花」とよばれる発酵の際に出る泡の層が表面に浮かんできます。
そこでようやく染めの染色液が出来上がるのです。


この藍染はほぼ日本全国で行われていたそうですが
現在でも最も有名なものは、四国の徳島県で染められた
「阿波の藍染め」と言われています。
この藍染を使い、徳島県では「しじら織」とよばれる
伝統的な織物が現在でも織られています。


この「藍」なのですが、世界的には「Ai」ではなく、
「Japan blue」と呼ばれています。
これは特に日本の蓼藍で染めた独特の深い色の藍染めが
美しく発色する事と、日本的な色合いから呼ばれるそうですが、
もしかしたら、これは日本の美しい自然の中だからこそ
作られるものかもしれません。

美しい清水、澄んだ空気…どんな伝統産業もそうなのでしょうが
美しい日本の風景ともいえる水や空気、それが
世界に誇るものを生み出す原点なのかもしれません。
後世にもそうした伝統産業を伝えていくために
私たちが自分でほんの少し気をつけて自然を大切にすることは
今の現代に生きる者の義務なのかもしれませんね。


宗流


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by sou-ryu_mame | 2009-03-13 21:47 | 色について

色いろいろ2


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こんにちは。
あっという間に1月も7日です。
世間の雰囲気もお正月気分から日常の日々に戻ってきましたね。
お正月のご馳走になれてしまった胃も、
今日の七草粥でちょっとひと休みという方も多いのでしょうか。


さて、本日はしばらく続いていた「文様シリーズ」をお休みして
久々に「色」のお話です。
前回は、色の名前についてが中心でしたが、
今回は「襲色目(かさねいろめ)」についてです。

みなさんは各季節のイメージ色ってどんな色をお持ちでしょうか?
春の色・夏の色・秋の色・冬の色…
人それぞれに色々なイメージをお持ちだと思います。

厳密に言えば少しニュアンスが違うかもしれませんが、
襲色目とは、その季節を表す自然の風物の
色の組み合わせと考えてもらえれば、解り易いかもしれません。

十二単にもこの襲色目は多いに使われていました。
幾枚も美しい色の着物を重ね着した、その衣の色の配列を
示したものを襲色目とよびます。


たとえば、その一例をあげてみますと…
・春→紅梅 (表/紅梅 裏/蘇芳)
早春に咲く紅い梅の花をイメージしてあり、
その花の色に似た、かすかに紫をおびた淡い紅色と
赤味の深い赤紫色の組み合わせ。

・冬→枯色 (表/淡香 裏/青)
冬の枯野の情景をイメージしてあり、
枯草を思わせる薄い茶と深く静かな青(深緑)の組み合わせ。

…などなど、この組み合わせは約200種にものぼるそうです。


ところで、
この襲色目、元々は平安時代の貴族女性の十二単の色の組み合わせ
だったのなら、今の現代になかなか利用できないのでは?
と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
確かに、この時代で十二単はなかなか日常には見ませんもの。

でも、一番簡単な襲色目の利用として
小物の帯揚&帯〆の色合わせに使われてみてはいかがでしょう?
初春の装いに、紅梅の襲色目の帯揚と帯〆なんて素敵です。
たとえ、そのものずばりの色ではなくても
色の持つ雰囲気で、季節感を演出できそうです。


今の時代、平安の頃とは自然の色も情景も、きっと変わっているのでしょう。
その当時の人々の豊かな感性をしのび、現代に生かすことは
とても大切な事だと思います。
ですが、今の時代にしか見られない現代の情景を
それぞれの感性で色になぞらえ、新しい自分だけの「襲色目」を作りだす。
それもまた「あり」ではないでしょうか?


宗流


和装小物 宗流
http://www.sou-ryu.jp
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by sou-ryu_mame | 2009-01-07 16:14 | 色について

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