宗流がお届けする小さな豆知識。
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原点回帰(?) 絹について6


こんばんは。
本日の京都はとてもいいお天気で
暖かな春を思わせる一日でした。
お仕事部屋でこもっているなんてもったいない!
…と、思わず本音。


さて、今日は絹についてのお話、第六回目です。
今日は繭からとった生糸を生地にする下準備の
お話を中心にお伝えしたいと思います。


昨日までで生糸となった糸は、次の工程に入る前に
まず最初に「下漬け」と呼ばれる作業をします。
これは生糸をある程度の長さのまとまりにした「綛(かせ)」
とよばれる糸の束をネット等に入れ、油剤に漬けられます。
この油剤は柔軟性をもたすため、また静電気防止用で、
何色かに色分けがされており、生地を織る時ための
糸の太さ別、縦糸や経糸用にそれぞれの色がつけられています。

そして「下漬け」が終わった糸は脱水をされ、
「綛」のままの姿でしっかりと乾燥させます。
またこの時、糸にダメージを与えないように
出来るだけ自然乾燥に近い低温除湿の部屋の中で
乾燥を行うそうです。

その後、乾いた「綛」をボビンとよばれる
20~25cmくらい(?)の糸車のようなものに
巻取ります。この作業は「糸繰り」と呼ばれます。
スピードを出して巻取れば効率が上がるのですが
早く巻取れば糸の風合いを損ねてしまうため
糸が切れないように注意しながらゆっくりと巻取られます。

次に、ボビンに巻取られた糸は、織までの中でも
最も大事な作業に移ります。
機織りの機械は、経糸と緯糸、そして紋縮緬等では
柄を出すヌキ糸と呼ばれる糸が必要となります。
その中でもあらかじめ機械にセットされるのが
経糸(たて糸)です。

これは生地によって必要な長さが異なるものの
一反を織りあげるのに8000~10000本もの本数が必要と言われてます。
この本数や長さ、幅を整える作業を「整経」と言います。
人が一人すっぽりと入れそうな大きなドラム状のものに
決められた長さの糸を巻き取っていくのですが
途中で糸が切れたら製品にならないため
巻き取り途中で糸が切れると、
センサーが教えてくれるようになっています。

今は何の作業でも自動センサーがあるため
何か異変があればすぐに修復ができるようになっていますが
昔はこの作業にかかわらず、
人の手と目に頼っていたかと思うと
とても頭の下がる話です…。


ちょっとここまで早足できましたが
何となく想像がつかれるでしょうか?
なかなか実際に現場を見学でもしないと
難しいのかもしれませんね…。
ですが、生活の中で絹製品を身近に感じられる方も
そうでない方も、こうした工程があるという事だけでも
知ってもらえましたら幸いです。

それでは、また続きは後ほどに…
よい週末をお過ごしください。


宗流

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by sou-ryu_mame | 2009-02-28 17:42 | 絹について

原点回帰(?) 絹について5

こんにちは。
今日の京都はお昼頃まで雨が降ったり止んだりでした。
気温もあまり上がらず、少し寒い一日…。
昨日の暖かで気持ちの良い日中はどこへやら、です。


さて、本日は絹についてのお話第五回目です。
昨日までは繭から糸を取るための機械工程の方法と、
人の手による繰糸の方法をご紹介しましたが、
今日はそれ以外の糸の種類と取り方をご紹介します。


まず一つ目は「紬糸」です。
これは昨日の人の手による糸の繰糸作業と
少し似ていますが、根本的に違う点は
座繰りの場合は繭糸を一本ずつ引き出して
数本をまとめて一本の糸にするのですが
紬糸の場合は繭の綿部分を丸ごと使用します。

繭をお湯につけて柔らかくするまでは同じですが
紬糸の場合は、この繭を袋状に広げて蛹を取り出し、
綿状のまま乾かしたあと、少しずつその繊維を
取り出して糸を紡ぎ出すのです。

ここから紡ぎ出された「紬糸」は細い繊維が絡まった状態で
糸になるため、まっすぐな繭糸をまとめた絹糸特有の照り
とは異なり控えめな照りが特徴で、この紬糸を使って織られた生地は
「ふし」のあるざっくりとした風合いに仕上がります。
ですが、紬の生地はとても丈夫で、「三代着て味がでる」
といわれる結城紬などもこの紬糸を使って織られています。


そして二つ目は「絹紡糸」です。
この糸はもともとくず繭や生糸のくずを利用した糸で
これらを精錬(セリシンを取り除く作業)、
切断等の工程を経て紡がれた糸をさします。

この絹紡糸には、座繰りなど手作業で糸を取り出す作業の際に出る
「きびそ」という副産物を利用される事も多いのですが
絹紡糸の中ではこの「きびそ」が高い割合で配合されるものが
最上品とされ、価格も通常の絹糸よりも高価で取引されます。

蚕が繭の糸を吐き出す時、一番最初に吐かれるのが
この「きびそ」とよばれる部分で、繭のいちばん外側にあります。
きびそは糸の吐き始めであるのと同時に、吐き終わりに比べ
繊度や繊維の形状などに優れているそうです。


このように、絹糸は繰糸の段階の方法や
加工方法によっていくつかの種類に分類する事ができるのです。
そして、各工程によって出来上がった糸は
それぞれの特徴を生かした生地に加工されます。


さて…ようやく絹織物に使用される糸(生糸)の
ところまでやってきました。
いよいよここから絹織物になっていきます。
ですが、まだ生地になるためにはいくつもの工程が
待っています。
その続きはまた後日にて…。


宗流


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by sou-ryu_mame | 2009-02-27 17:33 | 絹について

原点回帰(?) 絹について4

こんにちは。
本日の京都は久々にいいお天気でとても暖かな一日でした。
梅・桃・桜が一時に咲きそうな日というのは
今日みたいな日を指すのかもしれませんね…。


さて、本日は「絹について」の第四回目です。
昨日までは蚕の繭から糸を取り出すところまで
お話しましたので、今日はそれをもう少し詳しく
お伝えしたいと思います。

蚕を育てる仕事を養蚕といいますが、
その蚕の繭から糸をとって生糸として出荷するまでの
工程全般を「製糸」と呼んでいます。
そしてその「製糸」の作業の中で、
繭糸を何本か合わせて一本の生糸を作る工程を
「繰糸」といいます。
今日は主にこの「繰糸」の作業についてのお話です。


まず最初に、この「繰糸」作業は機械を使って行われる方法と
人の手によって行われるものがあります。
どちらも繭をお湯の中で煮て柔らかくし、繭の糸口から糸を引き出し
数本を合わせて一本の糸状にする作業なのですが、
機械と人の手、どちらにもそれ特有の特徴が出た糸ができます。


まず機械工程のものは、自動繰糸機と呼ばれる機械を使って行われるため、
糸が切れたり繭糸の本数を合わせたりの作業を
人が全て監視しなくともある程度自動で行われます。
また作業の労力を大幅に減らす上、なおかつ品質が安定しています。
そして時間も短縮されるため、作業効率も高いのが特徴です。

それに対して人の手を使って行われる繰糸作業を「座ぐり繰糸」といい、
座った状態で煮た繭から糸を引き出していきます。
この手作業の座ぐり繰糸でできた糸は、自然発生する節(糸の凸凹)や
太さ(繊度)が不均一なのが特徴で、それが製品として不適格かというよりは
かえってその特有の風合いが好まれる場合も多々あります。
また機械で糸を引き出す力に比べ、人が糸を引き出す場合は
絹糸張力が低く、糸本体へのダメージが少ないのですが
作業効率は機械工程のものに対して極端に悪く
その上、良い糸を取るためには熟練した手が求められるため
人材の育成にも時間がかかるのが難点です。

どちらにも利点・欠点はあるものです…。
そして、やはりどの産業や業種にもいえることですが
人の手を使った味わいや風合いに富んだものは
高い技術を要するため、その技術を伝承するという
本来の作業以外の面で大きな問題を抱えているような気がします。


ところで、この絹糸なのですが、
この繰糸機などを使って糸を作る上記のもの、
それ以外にもあと二つの種類があります。
一つは「紬糸」・もう一つは「絹紡糸」とよばれるものですが
こちらはまた次回の機会にお話したいと思います。

今日はこのへんで。


宗流



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by sou-ryu_mame | 2009-02-26 17:52 | 絹について

原点回帰(?) 絹について3

こんばんは。
今日は少し遅い投稿になってしまいました。
今夜(2/25)のうちにアップできるかな…?


さて、今夜は絹についてのお話第三回目です。
今日はいよいよ繭から糸になるお話です。

一回目・二回目で、絹の原料となるのが蚕の作る繭だと
いうお話でしたが、この繭から糸をとるのに、
あの丸いかたまりをどうするかご存知でしょうか?

実は…私は以前、あの繭は中の蛹が羽化したものを
集めて糸にするものだと思い込んでいました。
と、いうより、この和装関係の仕事に就くまで
考えたこともなかったのが正直なところです。


さて、何回かの脱皮を繰り返し、
いよいよ幼虫から蛹になる時期がきた蚕は
「まぶし」と呼ばれる容器の中で、糸を吐いて身をくるみます。
そして、丸い楕円形の繭が出来上がると
その繭は蛹が入ったままの状態でお湯でゆでられるのです。(!)

…少し残酷なお話ですが、それは今回は少し置いておくとして
先に進みましょう。


繭の糸は、前回のお話でも触れたように
セリシンという物質とフィブロインという物質から成り立っています。
セリシンは膠状の物質で、通常の空気中では固まり
繭の丸い形を保っているのですが、
お湯の中に入れると軟らかくほぐれてしまいます。
そのセリシンが柔らかくなった状態の中から糸をとるのです。

そこで前出のお話に戻りますが、もしかしたら
以前の私と同じように、蛹が羽化してからでもいいのでは…
という方がいらっしゃるかもしれませんね。
ですが、そうはいかない事情があるんです。

それは、あの繭をつくる蚕の糸は、一本の糸だからです。
そして、羽化するのを待てない理由が
蚕が羽化の時に吐くタンパク質成分が、
繭を溶かしてしまうという点です。
もし蛹の羽化を待ってしまうと、蛹のタンパク質成分で
繭には穴が開いてしまうのです。
そうすると糸は途中で途切れてしまい、
糸がとれなくなってしまうのです。
蚕にとっては可哀そうな話ですが
糸はこうしてとられるのです。


ちなみに、ちょっと余談にはなりますが
この糸をとった蛹は、捨ててしまうわけではないそうです。
全てがそうなのかはわかりませんが
飼料や肥料・そして釣り用のエサなどになるそうです。
つくづく最後まで蚕は人のために役立つ虫です…。
さすが「お蚕さま」と呼ばれるだけのことはあります。


さて、繭から糸がとれ、
ここからいよいよ絹糸(生糸)へのお話になります。
ですが、今回はこのへんで。
この続きはまた後ほどに…。



宗流


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by sou-ryu_mame | 2009-02-25 23:45 | 絹について

原点回帰(?) 絹について2 


こんばんは。
本日の京都は一日雨が降ったり止んだりでした。
一雨ごとに、春が近づくと思うとわくわくしますが、
やはり雨は少しうっとうしいです…。


さて、原点回帰、本日はその2です。
(※HPではまだ「こもの屋の小さなこもの展」も開催中です!)
昨日は絹糸の原料となる「繭」についてでしたが
本日はその大元、「蚕」のお話です。
女性の中には虫が大嫌いという方も少なくはないでしょうが
本日は少し我慢して下さいね…。


先ほども触れましたが、絹糸(生糸)は蚕の作る繭から
糸を紡ぎ出し、それを数本集めて糸にします。
そして、蚕をさなぎの状態まで育て、繭を取るお仕事を「養蚕」といいます。
この「養蚕」から糸を取る「養蚕製糸」の技術は、
中国から伝わり、日本では弥生時代頃には
すでに絹織物が作られたという記録があります。


この「蚕」ですが、もとはカイコガという蛾の仲間全般をさします。
そしてこの製糸のために使われる「蚕」には、大きく分けて二つあり
一つは野外でクヌギの葉などを食べて育つ「野蚕」と
人の手で飼育・生育する「家蚕」の二つに分かれます。
本日はその中でも「家蚕」についてお話したいと思います。

「家蚕」は養蚕農家で桑の葉を与えられながら大切に育てられます。
卵から孵化した幼虫は桑の葉を食べながら成長して、
脱皮を繰り返しながら繭を作るようになります。
そしてその繭から細く美しい糸がとれるのです。


ちなみに…
この「家蚕」なのですが、これは完全に
人間の手で作られ、家畜化された生き物なのです。
「家蚕」とよばれる蚕は、野生回帰能力が退化し
人の手がなければ生きていくことができません。
そのため、蚕が一頭、二頭と数えられるのは
家畜と同じ扱いのためだと言われています。

幼虫のうちだと、目立つ体の白色はすぐに捕食の対象となり、
また、腹脚とよばれる胴体の足が退化しているため
木や葉の表面にしがみつく事もできません。
そして、蛹(さなぎ)になる時でも、一つ一つの升目に区分された
まぶしとよばれる蚕のための部屋がなければ繭を作れないのです。
まさに、蚕(家蚕)は絹糸をとるための一生を送ります。


ですが、だからこそ蚕は昔から敬いの気持ちを込め
「おかいこ様・おかいこさん」と敬称つきでよばれるのでしょう。
今でも、地方によっては蚕を神聖なものとして扱う地域もあるそうです。


絹糸はまさに文字通り、「一所懸命」に蚕が作り上げた
芸術品だといっても言い過ぎではないでしょう。
植物繊維や動物の毛繊維などの天然繊維の中で
最も長い繊維を持つ繭糸は、織り方や染色で
様々な風合いや表情をもち、私たちを楽しませてくれます。


食べ物が何かの生命のおかげで成り立つとよく言いますが
繭糸もそうです。小さな蚕の生命のおかげで、
絹製品は成り立って行けるのです。
それに報いるよう、大切に、そして生命の作り上げた芸術を
十分に味わう事が、せめてもの蚕への恩返しなのでは、と思います。



宗流


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by sou-ryu_mame | 2009-02-24 19:01 | 絹について

原点回帰(?)  繭について1

こんにちは。
今日の京都は午前中は少し雨も残りましたが
午後からは回復模様です。
明日はすっきりと晴れますように。


さて、本日は「こもの屋の小さなこもの展」も
ほぼご紹介できましたので、こちらはしばしお休み。
本来の和装関連のお話に戻りたいと思います。

今回はその復帰(?)第一回目、和装関連の基本中の基本
「絹について」その中でも「繭」についてお話したいと思います。


実際に和装関係に携わる方でなくても、
女性の方でしたら、化粧品などのお店に行かれた際
本物の「繭」を目にされた機会があるのではないでしょうか?

コスメ関係?和装と関係ないんじゃないの?
とお思いになられるかもしれませんが、
実はこれが案外関係あるんです。

あの繭玉なのですが、あれをコスメ関係に使用するように
なった所以が、大きく2点ほどあるそうです。
その1つがあの繭を作っている糸の細さです。

絹糸のもとである生糸、その原料は繭を作っている糸です。
その繭一ヶの糸の太さは約3デニールと言われています。
このデニールとは、糸の太さの単位で450mの長さで
0.05gを1デニールと言い、これを換算してみると、
450mで0.15gということになります。
450mもの一本の糸が1gにも全く満たないのですから、
大変な細さです。市販の洗顔ブラシに使われる
植物繊維・動物毛・化学繊維に比べても
かなり細いのではないでしょうか。


そして2つ目が、繭の糸の構成分子です。
繭の糸は大きく分けて二つの物質から成り立っています。
まずは絹糸(生糸)のもととなる「フィブロイン」
そして、そのフィブロインの周りを囲む「セリシン」という物質です。
この「セリシン」という物質は、生糸を作る段階では
不要なものとして除去されるのですが
コスメ用品としての繭には不可欠なものとされています。
この「セリシン」は人の肌の角質層をなすアミノ酸と
良く似た性質をもっているそうです。

また次回以降にもお話しますが、このセリシンの性質として
通常ではかたい膠状のものなのですが
約40℃程度のぬるま湯の中では柔らかく変化します。
その細い繊維とアミノ酸に似た成分は、
お肌に直接ふれたとしても悪い訳はありません。
コスメ用品として活用されるのも分かる気がします。

またこの「繭玉」をお見かけになられた際は
一度お試しになられてみてはいかがでしょうか?


さくっと「繭」の構成について触れてみましたが
まだまだほんの序の口です。
糸になるまではまだまだです。
この続きはまた次回に…。


宗流


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by sou-ryu_mame | 2009-02-23 17:19 | 絹について

「こもの屋の小さなこもの展」 カタログVOL12

c0163413_17265290.jpg

こんばんは。
今日の京都はお昼過ぎ頃までぐずった空模様でしたが
夕方前にはちょこっとだけ陽も射してきました。
今夜は雨も降らなさそうです。


画像は「こもの屋の小さなこもの展」でご紹介しております
ichi-210380-4の帯留です。
楕円形の台に市松模様と七宝模様が刺繍してあり
大きさは長さ約5cm・幅約2.3cm・高さ約1.5cmとなります。
(金具の高さを含みます)


今日のお話は碁盤のマスのような市松模様のお話です。
この市松模様、歌舞伎好きの方にはお馴染みの柄かもしれません。
江戸時代、歌舞伎役者の初代佐野川市松が舞台「心中万年草」
で小姓・粂之助に扮した際、白と紺の正方形を交互に配した袴を
着用したことから人気の出た柄としてよく知られています。

この市松柄、私は上記の頃に生まれた柄だとばかり思っていましたが
実はもっと歴史は古く、平安時代までさかのぼるそうです。
もっとも当時は市松模様とは呼ばず、
「霰(あられ)」と呼ばれていたそうです。


また、この簡潔な柄は日本だけでなく、
チェック柄と名前を変え、世界の様々な国で愛される柄です。
何となく、名前が違うと全く別物のように思えて不思議です…。

インド東南部の港町マドラスを発祥にしたマドラスチェック、
スコットランドのハイランド地方で発達したタータンチェックなど
普段身につける洋服でもおなじみの名称をもつチェック柄は、
お好きな方も多いのではないでしょうか?


けれど、よく見てみるとこの柄の構成は、
何か他の柄と組み合わせる等のアレンジを加えない限り、
直線または色の面のみで作り上げられています。
文様の世界には様々な複雑な要素や構成をもつものが
少なくありませんが、その中でも縞柄と市松柄は
突出した簡潔さを持っているように思います。


ですが、この簡潔さがかえって人々の印象に残るのかもしれませんね。
インパクトという点では、余計な視点が少ない分
受け取る側にダイレクトに訴えかけるものがあります。
また同時に、シンプルだからこそこの市松柄や縞柄は
多くのアレンジをも生んだのでしょうね。


simple is best !
この市松柄は、この言葉を強く感じさせる
凛とした粋さをもった文様の一つだと思います。



宗流


※ただいまHPにて
「こもの屋の小さなこもの展」開催中です。
3/1まで開催しておりますので、どうぞご覧下さいませ。

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by sou-ryu_mame | 2009-02-20 18:09 | 帯留について

「こもの屋の小さなこもの展」 カタログVOL11


c0163413_17171318.jpg

こんばんは。
今日の京都は朝からすっきりしないお天気でした。
いまもじきに雨が降り出しそうな気配…
今日は早めにお仕事を終るようにしないと。


本日ご紹介する帯留はhyo-210380-6です。
こちらは扇型の台にひょうたんの刺繍がしてあり、
大きさは長さ約5.5cm・幅約2.6cm・高さ約1.4cm
となります。(金具の高さを含みます)


さて、本日は「ひょうたん」のお話です。
色々な絵や昔話などで、お馴染みのものですが、
実は日本生まれの植物ではなく、意外にも原産は
アフリカと考えられているそうです。


現地ではサハラ以南のアフリカのほぼ全域で
栽培されており、日常の容器としてだけでなく
信仰の神器としても使われているそうです。
また通常イメージのあの真ん中のくびれた形だけでなく
細長いものや、まんまるのものなど
様々な形のものがあるそうです。


日本でもひょうたんは鑑賞の栽培用だけにでなく
文様としてもとてもよく使われます。
その中でも豊臣秀吉の馬印として用いられた
「千成瓢箪」は特に有名なものではないでしょうか。

文様としてのひょうたんは、吉祥文様に分類されます。
これは養老の滝の伝説のお話や、種が多い事から
「子沢山・子孫繁栄」などの意味合いを持っています。

そしてお隣の国、中国でも吉祥文様とされ
ひょうたんには邪気を払う霊気が込められているという
言い伝えがあり、門口や車の中に吊るす事で
「災いを避ける」意味があるといわれています。

姿形がかわいいだけでなく、ひょうたんはなかなか立派な
謂れまで持っているようですね…。


でも宗流の帯留も負けていませんよ。
吉祥文様というだけで何となく縁起のよいひょうたんですが
今回はその台に「末広」を使ってみました。
この末広も「末広がり」と言われ、縁起の良い吉祥文様です。

まさにhappyの2乗♪
ちょっと運気を上げたい方に特にオススメです(?)

…ただ、私の運気がビミョーなので、
効果のほどは定かではありませんが…。


宗流


※ただいまHPにて
「こもの屋の小さなこもの展」開催中です。
3/1まで開催しておりますので、どうぞご覧下さいませ。

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by sou-ryu_mame | 2009-02-19 17:54 | 帯留について

「こもの屋の小さなこもの展」 カタログVOL10

c0163413_1722176.jpg

こんにちは。
本日の京都は、部屋の中から表を見る分には
いいお天気で気持のいい日だったのですが、
気温は雪がちらついていた昨日に比べ
体感的には今日の方が寒く感じます。
まさに「京の底冷え」です。


本日の「こもの屋の小さなこもの展」 カタログは
flo-210420-3のつまみ細工の帯留です。
薄い羽二重の生地に着色をして、乱菊の形につまみ細工が
ほどこしてあります。
大きさは直径約4.5cm・高さ約1.6cmとなります。
(金具の高さを含みます)


さて、今日は「つまみ細工」のお話です。
つまみ細工は正方形に小さく切った布をつまんで折り畳み、
台の上に貼り付けて、図柄を表すものです。
感覚としては先日のカメオのように、立体感のある「布でできたレリーフ」
といえるのかもせれません。

小さな女の子の七五三の髪飾りや、女性の髪飾り、
また昨今の和雑貨ブームで日常の髪飾りなどにも
軽めのつまみ細工が用いられることは多いのですが
一般的に男女の差なく目にされる機械が多いのは
「羽子板飾り」でしょうか。
これもつまみ細工の仲間で、
様々なパターンのつまみ細工を駆使し
絵のように仕上げられた「飾り絵」とよばれるものの一つです。


この「つまみ細工」ですが、
最近は色々なプリント生地を使って作られる事が多いため、
結構最近になって生まれたものかと思っていましたが、
調べてみると江戸中期の頃、京都で考案され
江戸中期頃には宮中の女官や大名の奥女中などが、
着物のはぎれを利用して、つまみ細工の薬玉(くすだま)を作ったり、
趣味としてつまみ細工を作っていたようです。


江戸後期になると、庶民の間にも徐々に広がり、櫛やかんざし
などが若い女性の髪飾りとして流行しました。
その後、明治初期には応用範囲はさらに広がり、羽子板や小箱、
うちわ、鏡などにもつまみ細工が施されるようになったそうです。

今でこそ、このつまみ細工用に生地を染めたり
それ用に好みの生地を購入して作る事が多いのでしょうが、
元々は着物のはぎれを利用して作られていたという事は、
一部の裕福な家のはぎれは別にして、
多くの家のものはもっと地味だったのかもしれませんね。
素朴な飾り物ではあるものの、きっと当時の女性たちは
身の回りの品々を可愛らしく飾ることに
満足を覚えていたのでしょうね。



宗流


※ただいまHPにて
「こもの屋の小さなこもの展」開催中です。
3/1まで開催しておりますので、どうぞご覧下さいませ。

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by sou-ryu_mame | 2009-02-18 17:14 | 帯留について

「こもの屋の小さなこもの展」 カタログVOL9

c0163413_17411966.jpg

こんばんは。
本日の京都はとても寒い一日でした。
時折雪も降り、確かにきれいではあったのですが
あまりの寒さに、私はダウン寸前です…。


本日のカタログ画像はToy-210997-17・210997-18
の二点です。
どちらも「こもの屋の小さなこもの展」の中の
「Toys」のカテゴリに本日追加しました。

この丸いボール状のものは、
羊毛をフェルト状にしてつくったボールです。
ちょうど北海道のお土産によくある「マリモ」みたいな感じです。
丸みと風合いが冬にぴったりのフンイキです。
フエルトボールの色合いを合わせ、
4つ一組にして、中央にウッドビーズをアクセントにしています。


さて、本日は「フエルト」のお話です。
よく手芸店などで見かける、馴染み深い素材なのですが
調べてみたところ、結構歴史のある生地の一つでした。

古代から色々な地域で使われていたそうですが
考古学的に見て、発見された最も古いものは
ロシアの中南部にあるアルタイ地方の
パジリク古墳群の古墳のひとつから出土した
もので、紀元前5世紀-紀元前4世紀のものといわれています。
そしてこの頃からすでに、鞍覆いや帽子に
加工されていたそうです。
随分古くから活用されていたんですね。

このフエルト。
定義としては、動物の毛を圧縮して作るシート状製品の総称で
毛にはヒツジやラクダ・ヤギのなど動物のものが使われます。
集められた動物の毛は、アルカリ性の水溶液を含ませ、
圧力をかけて生地を揉むと毛同士が絡み合い、
一本一本の毛がやがて一つの固まりになっていきます。

この固まりになる現象を「縮絨(しゅくじゅう)」といい、
固まりを薄く板状に延ばしたものが、
お馴染みのフエルトになるそうです。
私はてっきり、何か土台になる繊維に羊毛などを混ぜて
織り込んであるのかと思っていたのですが、
フエルトは織をかけない「不織布」との事でした。


ちなみに、この「フエルト」日本に来たのはいつなのだろうと思っていたら、
ちゃんと書いてありました。さすがインターネット検索です。

日本で最古と言われているものは
正倉院所蔵の「毛氈」だそうで、
奈良時代に朝鮮半島の南東部にあった、「新羅」より伝わったとの事でした。
そして、一般的に使用されるようになったのは
江戸時代後期になってからという事です。
しかし当時は一般的とはいえ、まだまだ富裕層を中心とした
一部の庶民に限られていたそうです。


でも…。
それほど深く考えた事はなかったのですが
改めて思うと、お茶席などの際に敷かれる「毛氈」は
フェルトだったんですね…。

何だか「毛氈」という立派な名前がついていてよかったです。
「緋毛氈」だと何となく厳かなフンイキが
漂う気がしないでもないですが、
「緋フエルト」では全く恰好がつきません。


宗流


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by sou-ryu_mame | 2009-02-17 18:28 | 帯留について

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