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きもの検定 重要無形文化財について その1




こんばんは。
とうとう八月も終わり、九月がやってきましたね。
でも、まだまだ暑い日が続きそうなので急に秋になったとは
なかなか思えません^^;
今日から新しい一ヶ月の始まり。新たな気分でこの一ヶ月も
元気に乗り切っていきたいものですね!



さて。
前回までで全国の染織品のご紹介を終え、
今日からはまた新しい分野のお勉強に入りたいと思います^^
さぁ、何にしようかしら~?と考えていたのですが
全体的にどの分野も苦手に等しいので、地道にやらなくてはいけません。
という訳で、今回も宗流の苦手なものを。
本日と次回は、染織品における「重要無形文化財」についてのお話です。




重要無形文化財というと、人間国宝といった言葉が思い浮かぶ方も
多いかもしれませんね。
ちょっとお堅いお話になるのですが、この重要無形文化財とは
文部科学大臣が指定した、無形の文化財=「わざ」の事です。
この「わざ」について、高度な技術を持った人物を一般に「人間国宝」
と、呼ぶ事が多いのですが、実は文化財保護法にはこの
「人間国宝」という文言がありません。
正式には「重要無形文化財保持者」と呼ばれます。
この保持者の分野には、雅楽・能楽・歌舞伎などの歌舞音曲だけでなく
工芸技術分野も含まれ、その中に染織の保持者の認定もなされています。
今日はこの重要無形文化財の中で、「保持団体認定」についての
ご紹介をさせて頂きます。



染織の分野において、この「保持団体認定」は7団体が認定されています。
この基準として、その分野において高い技術を要し、伝承意欲があり
後世に伝えていく必要な態勢を整えている団体というものがあります。
そしてこの根幹とも言える高い技術を「指定要件」といいます。
では、染織の分野の重要無形文化財「保持団体認定」を見てまいりましょう。
(指定年・名称・都道府県、団体名称・指定条件)




重要無形文化財の保持団体認定

※工芸技術の性格上、個人的特色が薄く、かつ当該工芸技術を保持する者が
多数いる場合において、これらの者が主たる構成員となっている団体






1955年  小千谷縮・越後上布  

新潟県  越後上布・小千谷縮布技術保存協会

1:全て苧麻を手績みした糸を使用する事
2:絣模様を付ける際は、手くびりによる事
3:いざり機で織る事
4:しぼとりをする場合は、湯もみ・足ぶみによる事
5:さらしは雪ざらしによる事



1955年  結城紬

茨城県・栃木県  本場結城紬技術保持会

1:使用する糸は全て真綿より手紡ぎしたものとし、強撚糸を使用しない事
2:絣模様を付ける際は、手くびりによる事
3:いざり機で織る事



1957年  久留米絣

福岡県  重要無形文化財久留米絣技術保持団体

1:手くびりによる絣糸を使用する事
2:純正天然藍で染める事
3:投げ杼の手織織機で織る事



1974年  喜如嘉の芭蕉布

沖縄県  喜如嘉の芭蕉布保存会

1:糸は糸芭蕉より苧引きしたものである事
2:染織は植物染である事
3:絣模様は手くくり絣である事
4:手織である事



1978年  宮古上布

沖縄県  宮古上布保持団体

1:全て苧麻を手紡ぎした糸を使用する事
2:絣模様を付ける際は、伝統的な手結による技法、または手くくりによる事
3:染織は純正植物染である事
4:手織りである事
5:洗濯(仕上げ加工)の場合は木槌による手打ちを行い、使用する糊は
天然の材料を用いて調整する事



1993年  伊勢型紙

三重県  伊勢型紙技術保存会

1:突彫・錐彫・道具彫・縞彫等の彫刻は、伝統的技法により手彫りである事
2:糸入れは伝統技法によるか、又はこれに準ずるもの
3:制作用具の調整は、代々の伝承に準ずる事
4:型地紙の調整は、伝統技法により生漉きの楮紙に渋加工を施し自然枯らしとするか
又はこれに準ずるもの
5:型紙の文様は、古代型紙・小本等の古典的な図案を参照した価値の高いものである事
6:染型紙制作においては、伝統的な伊勢型紙及び、型紙の優れた作調・品格の
特質を保持する事



2004年  久米島紬

沖縄県  久米島紬保持団体


1:糸は紬糸又は引き糸を使用する事
2:天然染料を使用する事
3:絣糸は手くくりである事
4:手織りである事    
 




…以上の7団体が認定されています。
前回の染織品のご紹介の際、宗流が苦手だとお伝えした沖縄県の染織品は
7団体中、実に3団体が認定されています。
それほど沖縄の染織品は伝統と高い技術を要しているのですね。

そして各団体の指定条件を見てみると
案外シンプルというか、技術の機械化がなされる以前の、
手作業が当たり前だった時代の、当たり前の作業である事に気付きます。
しかし、様々な産業が機械化による技術向上を見る中で
こうした昔ながらの手作業は、どの産業でも衰退化の一途を辿っています。
いわば無形文化財とは、人の手による高い技術の保護と継承をはかるための
ものなのでしょうね^^





次回は重要無形文化財の個人認定をご紹介したいと思います。




宗流
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by sou-ryu_mame | 2010-09-01 23:38 | きもの検定について

きもの検定 全国の染織品 沖縄地方(沖縄および島々)



こんばんは。
今日で八月も終わりですね。
みなさまの夏はいかがでしたか?
素敵な夏の思い出はたくさんできましたか?
明日からは九月。
気分新たに頑張ってまいりましょうね^^



さて。
本日で全国の染織品のご紹介も終わりです。
長かった…予定では八月の半ばには終了する予定でしたが
いつのまにかもう九月。
まだまだお勉強しなくてはいけない分野ももりだくさん。
少しペースをあげなくては!
本日は宗流の最も苦手な沖縄編です^^;
何しろ、漢字が難しいのに加え、島々の形がいま一つ覚えられません。
しかし、沖縄県は染織品、特に織物の一大産地。
伝統的工芸品に認定された染織品数に至っては、全国一を誇ります。
苦手とは言ってられません!




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47:沖縄県   琉球紅型(りゅうきゅうびんがた)
          琉球藍型(りゅうきゅうえーがた)
          芭蕉布(ばしょうふ)
          琉球絣(りゅうきゅうかすり)
          首里織(しゅりおり)
          読谷山花織(よみたんざんはなおり)
          南風原花織(はえばるはなおり)






琉球紅型は、今から500年ほど前、琉球王朝の時代に王族・貴族のために
染められたものでした。
王族の専用のものに、花鳥に鳳凰・龍などを染め上げた紅型を「首里型」と
呼び、時代を経て庶民の晴れ着として紅型が着られるようになると、「那覇型」
と呼ばれる小型の紅型が染められるようになりました。
紅型の「紅」とは赤い色という意味ではなく、色の総称。そして「型」は模様を
表します。この紅型という名称が使われるようになったのは大正末期と言われています。
この型紙は沖縄の自然や生活に密接した身近なものをモチーフにし、渋紙に図案を
のせ、ルクジュウ(豆腐を乾燥させ、油につけたもの)の台の上で小刀で突き彫り
して作られます。その型紙を生地にのせ、糊をヘラで置いてから伸子張りをして
滲み止めの呉汁(大豆をすりつぶした汁)を引き、色を挿してゆきます。
紅型の基本色は、赤・黄・青・紫・緑・黒(墨)の六色で、専用の筆を使い
基本的に明るい色から暗い色へと染められます。
模様に色が付けられた後、さらにその部分をぼかすの技術を「隈取り」といい、
濃い色調で色を挿しながらぼかす事で立体感が生まれ、それが紅型の大きな
特徴となっています。
また通常の染めものの場合、色を挿した後「蒸し」という生地を蒸して色を定着
させる工程があるのですが、この「蒸し」は沖縄が本土に復帰してから行わる
ようになったそうです。




琉球藍型は色鮮やかな紅型とは違い、型紙を使って藍一色で染めたもの
をいいます。また華やかな紅型がもとは王族・貴族のものだったのに対し、藍型は
庶民の衣服を染めていたそうです。
藍型は古くは三世紀頃には染められており、魏志倭人伝にも記されています。
技法としては紅型と染める染料が違うだけで、工程も同じです。
沖縄県では多くの織物がありますが、染色のきものはこの藍型と紅型だけです。




芭蕉布はバナナと同種の植物、糸芭蕉の茎の繊維を糸にして織り上げられ、
13世紀には織り始められた古代布の一つです。
戦後、壊滅的な状況にあった芭蕉布は、沖縄本島の大宜味村喜如嘉で
平良敏子が復興させ、重要無形文化財保持者に認定されました。
芭蕉布はきものや帯と、作られるものによって糸芭蕉の繊維に違いがあります。
糸芭蕉は外皮から四種類に分けて糸が作られ、帯には二番目の「ナハウー」
きものには最も上質な「ナハグー」とよばれる糸が使われます。
またこの繊維から糸を取る作業を「苧績み」といい、取り出した長い繊維を
絡まないように「チング」という玉状のものに束ねながら苧績みされます。




琉球絣は沖縄で生産される絣柄の総称であるとともに、南風原で織られる
泥藍で染めた糸を使用した木綿の絣織物をさします。
この琉球絣の特徴は、豊富な絣柄にあります。約600種類とも言われる模様は
多くは鳥や植物、また生活用品などをモチーフにされており、この模様は
琉球王朝時代から伝わる「御絵図帳(みえずちょう)」と呼ばれる図案集
を元に染められています。




首里織は沖縄本島の首里織物の総称で、現在首里織には花織・ロートン織・
花倉織・絣・ミンサーなどがあります。
花織は「はなうい」と呼ばれる紋織物で、糸を浮かせて幾何文様を織ります。
ロートン織は裏表とも経糸の浮く織りで両面使え、花倉織は絽織と両面浮き花織
を組み合わせた織り方で捩り部分が透かしになる織物です。




読谷山花織は首里花織と並ぶ代表的な花織で、糸を使って花模様を織り出し
絣柄を組み合わせます。
読谷山花織はとても手の込んだ織物であったため、かつては王府御用達の織物
であったとも言われています。



南風原花織は沖縄本島の南部、南風原町で織られている花織です。
主に両面浮き花織の技法で織られています。
1998年、沖縄県の伝統的工芸品に認定されています。






1:久米島   久米島紬(くめじまつむぎ)



久米島紬は沖縄県久米島で生産される紬で、植物染料と泥染めによる
味わい深い風合いが持ち味とされています。
起源は15世紀に明へと留学した堂之比屋(どうのひや)という人物が
養蚕技術を持ち帰った事に始まります。また江戸時代に薩摩藩へ献上
した際、黄八丈の泥染めの技法を取り入れて、現在の久米島紬が完成
したと言われています。
この久米島紬の基本色は黒褐色・赤茶・黄・鶯・鼠の五色で、絣柄や
縞柄が織られています。また絣括りから一人の職人により仕上げられ、
織り上がった布を砧打ちで布を柔らかくするのも大きな特徴です。




2:宮古島   宮古上布(みやこじょうふ)



宮古上布は沖縄県宮古島で生産される夏用の絣織物です。
その多くは白または紺色の細かな絣柄で、蝉の羽根のように薄いものの
耐久性に優れ、さらりとした肌触りが特徴です。
絣糸を作るのは大島紬と同じく締機を使い、琉球藍で繰り返し染め
られます。細かい絣柄を手織りし、仕上げに砧打ちをする事で
生地につやと張り、柔軟性を持たせます。



3:竹富島   八重山交布(やえやまぐんぼう)
         ミンサー織り(みんさーおり)



八重山交布は沖縄県竹富島で織られる織物です。
この八重山交布は経糸に絹糸や木綿糸を用い、緯糸に芭蕉または手績みした
苧麻を原料にしています。


ミンサー織は沖縄県八重山諸島で織られている綿織物です。
ミンサー織りは沖縄本島をはじめ周辺の島々も織られていますが
織り方に大きな違いはないものの、模様や糸染めにはそれぞれの地域で
五つ玉、四つ玉、トゥイグワーと呼ばれる鳥の模様などの模様が織られ
それぞれの特徴が見られます。



4:石垣島   八重山上布(やえやまじょうふ)
         


八重山上布は沖縄県石垣島を中心に織られている麻織物で、琉球絣を藍・茶・
赤褐色で織りだしたものの他、白地や絣柄の赤縞上布と呼ばれるものもあり
ます。
苧麻の手績み糸を緯糸に、ラミー糸を経糸に用い、絣糸は紅露(クール)と
と呼ばれるヤマノイモ科の植物の茎から取った染料や琉球藍で摺り込み捺染
されるのが特徴です。平成元年に伝統的工芸品に指定されています。




5:与那国島   与那国織(よなぐにおり)



与那国織は沖縄県与那国島で織られる織物の総称です。
与那国島では苧麻や芭蕉で織られる織物はほとんど見られず、主に使われて
いるのは木綿と絹です。その代表でもある「与那国花織」は格子縞の中に
小さな花模様を織り出したもので、表裏に模様が出る両面浮き花織や
緯糸を浮かせて織る緯浮き花織の技法が使われています。






全国の染織品のご紹介、ひとまず終わりです^^
思いのほかたくさんあって、本人もびっくりです!
でも、まとめるだけでも一苦労でしたが、これを覚えないと
意味がないんですよね…ショボン




宗流
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by sou-ryu_mame | 2010-09-01 01:13 | きもの検定について

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