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宗流がお届けする小さな豆知識。
by sou-ryu_mame

重ねるのは…年齢と経験だけではありません(後篇)


こんばんは、京都はお昼過ぎから雨が降ってきました。
それほど強くはありませんが、少し冷たい雨です。
みなさんのお住まいの地域のお天気は、いかがでしょうか?


本日は先日の「重ねるのは…年齢と経験だけではありません(前篇)」に
引き続き、後篇です。
改めて見てみると…今さらですが、タイトル長いですね(泣)


さて、気を取り直して。

「重ね衿」は、この名前の通り着物の衿を重ねたように見える所から
このような名前がついたといわれています。
そして、この重ね衿には大きく分けて二つの種類の仕立て方があります。
(今回は広衿ではなく、バチ衿タイプの重ね衿のお話です)

まずは(表地が)一色の生地で仕立ててあるもの。
そして、(表地が)二色以上の生地を使って仕立ててあるもの、に分かれます。
(一色のもの=一重)
(二色・三色=二重・三重)

一重に関しては、着物との取り合わせの中で
お好みの色をお選びいただければ大丈夫なのですが
二重・三重だけでなく、多いものでは五重というものがありますので
そうなると、ちょっと迷ってしまいそうです。


私の個人的な意見ですが、最も使いやすいと思うのは
やはり一重でしょうか。これだと、あまり色合わせに自信がなくても、
お着物に対して、コントラストをつけたいか、
全体に調和させたいかにポイントを置くと、選びやすくなります。

またほんの参考なのですが、お着物に対して
コントラストの強い重ね衿をお探しの場合、
「色相環」という色の見本帳のようなもので、
お着物の色に近いお色を探して頂き、その色の対極にあるものを見てみます。
それが各色の「補色」となります。
そして、この補色同士の組み合わせはコントラストが強いだけでなく
お互いの色を引き立てるもので、「補色調和」とも言われます。
分かりやすい色相環のサンプル
(色相環で検索しますと、たくさんヒットします)

そして、あまりコントラストを付けたくないとお考えの時にも
この「色相環」は役に立ちます。
同じ色系統でまとめたい、そんな時には色相環で
お着物の色目に近いものを選んで頂き、
すぐ隣り合ったお色を中心に、お好みの明るさや
赤み・青みを足し引きして頂くと選びやすくなります。
これは重ね衿だけではなく、帯揚げ等の小物をお選び頂く際にも
応用できるかと思います。


そして…
二重、三重なのですが、これはなかなか一概に言いきることができません。
何しろ、メーカーさんの数、そしてその組み合わせは無数にあり、
どんなものがあるかとは一口に説明がつきません。
ですが、比較的多く制作されている二重の片方の生地が金色のものなどは
やはり訪問着やお振り袖など、華やかなお着物に
衿元が寂しくならないようにと作られています。

せっかくの華やかな衣装ですもの、衿元もお洒落させてあげないと、
と、いうところでしょうか。


駆け足での、二回にわたっての重ね衿のお話でしたが、
なかなか重ね衿の本分をお伝えするにはまだ至ってませんね。
私ももっと勉強を重ねていきたいと思います。
そして、
みなさまのお着物の衿元に、さらに美しさが重なりますように…。


宗流


こちらでも重ね衿をご紹介しております。
よろしければご覧下さいね。

http://www.sou-ryu.jp
# by sou-ryu_mame | 2009-01-22 17:42 | 重ね衿について

重ねるのは…年齢と経験だけではありません(前篇)


重ねるのは…年齢と経験だけではありません(前篇)_c0163413_19143565.jpg


こんばんは、新しい週の始まりはいかがでしたか?
楽しかった昨日のお疲れが残ってらっしゃる
方もおられるかもしれませんね。
今週も一週間頑張ってまいります!(my宣言)


さて。本日の画像のサンドイッチ状のものは…?
これは、刺繍半衿と重ね衿です。
上から順に刺繍半衿×重ね衿…と4種類並べて写真をとったら
見たところあまり美味しくなさそうな
サンドイッチみたいになってしまいました。


サンドイッチの話はさておき、
みなさんは重ね衿ってよくお使いになられますか?
私は個人的には好きです。
特に訪問着や華やかな小紋などにはとてもよく似合う気がします。

ですが、よく着物をお召しになられる方に以前お聞きしたことがありましたが
あまり日常的には使わないとの事。
何となく寂しい気がしたものの、でも確かに納得する感は否めません。

と、いうのも日常的にお着物をお召しになられる方は
友禅の小紋などだけでなく、織物の紬・絣のお着物も
随分お召しになる機会が多いのではないでしょうか。
そして、そうしたお着物には、通常重ね衿は使われません。

特に理由を調べた事がなく、私の勝手な想像ではありますが、
まずは、重ね衿が「重ね着」を簡略化したものである事。
これは昔は実際に着物を重ね着をしていた事の名残で、
今現在は留袖等の「ひよく仕立て」と、この「重ね衿」で
重ね着をしているように見せています。

ですが、紬は今でこそ結城紬や大島紬など、
高級品の代名詞になっているものがありますが
もとは絹糸を紡ぐ時にでたくず繭を紡いで糸にしていたため
昔は「日常着」という観念が強かったようです。
そんな紬は重ね着などしなかったのでしょう。
そこから来ているのでは、と推測しています。

また、色柄も大きく影響しているのかもしれません。
白やカラフルな夏大島等を除いては、やはり紬はあっさりとした
シックな色柄が多く見られます。
その粋さ加減が身上であるがゆえ、
華やかさを加えるのは敬遠されるのかもしれません。


けれど、何も必ずしもこうでなくてはいけない!
といったものは、特にはないのではないかと私は思います。

もちろん礼を重んじたり、身だしなみを整える事で
身も心も引き締まるような場というものは
大切にしなければならないと思います。

しかし、ちょっと生意気な意見ではありますが…。
基本を踏まえた上で、個人の好みで着用する分には
少しくらい慣例をアレンジしてもいいのではないでしょうか。
遊び心や冒険心が、新しい流行を生むのでは?と思います。

だって、なかなか新しい事を思いつくのは難しい事ですもの。
「コロンブスのたまご」は、案外みなさんのお好みの中に
眠っているのかもしれませんね。


(後日、「重ねるのは…年齢と経験だけではありません(後篇)」に続く…予定)


宗流


ただいまHPにて色々な重ね衿のSALEを行ってます!
もしよろしければご覧下さいね。
(SALE目印は、TOPページの赤いSALE紙袋です)

和装小物 宗流
http://www.sou-ryu.jp
# by sou-ryu_mame | 2009-01-19 19:30 | 重ね衿について

本日はお知らせです

本日はお知らせです_c0163413_21321229.jpg



こんばんは。
土曜日の夜、お仕事が終わってほっと一息の方も多いでしょうか。
お疲れ様です。
明日もお仕事の方、頑張って下さいね!


さて、本日は和装小物 宗流よりお知らせです。
明日、1/18(正午)より、宗流HPにてSALEが開催されます。
今回は取り付け簡単な仕立衿や、着物にひと色挿す重ね衿、
お買い得な2点セット・3点セットなどなど、
お買い得商品をご用意してお待ちしております。

明日はお出かけ予定の未定の方、
お時間がありましたら、ちょっとのぞいてみて下さいね。

目印は、TOPページの赤いSALE紙袋!
そちらからご覧ください!!

どうぞよろしくお願いします。


和装小物 宗流
http://www.sou-ryu.jp
# by sou-ryu_mame | 2009-01-17 21:41 | 宗流HPについて

糸で描く絵 2


糸で描く絵 2_c0163413_11512679.jpg


こんにちは。
本日は三連休の最終日。お出かけの方も多いでしょうか?
今日も良い一日となりますように。

さて、今日は連休と同時に、成人式ですね。
新成人の方、ご家族の方、おめでとうございます!
成人式の模様がTVで放映されると、
何となく華やいだ雰囲気が伝わり、見ていてもいいものです。


本日の画像は「刺繍」の一部分です。
この画像は刺繍半襟の一部ですが、
和装小物だけに限らず、婦人・紳士小物ともに
刺繍は誰もがよく目にされるものではないかと思います。

女性はともかく、男性は…?
とおっしゃる方もいらっしゃるかもしれませんが、
普段、男性の身につけていらっしゃるジャケットの裏をご覧になってみて下さい。
お名前の「ネーム」が入っていませんか?これも刺繍なのです。
また、靴下のサイドについたブランドロゴ、あれもそうです。


この刺繍の技法、これは日本だけに限らず
世界各国で古くから行われていた技法の一つです。
現代では最も多く目にするのが、フランス刺繍と呼ばれるものかもしれません。
手芸が好きで、ご自身でもなさっているという方も多いと思います。

さて、この刺繍。フランスと日本と国は違えど、実は共通点も多いのです。
もちろん下絵を描いたり針と糸で刺す箇所はそうなのですが
例えば、日本刺繍での平縫い=サテンステッチ
相良縫い=フレンチナッツステッチ、まつり縫い=アウトラインステッチ
など、名称は変わっても、縫いは同じだったりします。
現代では、このフランス刺繍の名称の方が耳慣れているかもしれませんね。


そして、刺繍といえば忘れてならないのが中国です。
中国での刺繍の文化は漢の時代とても古く、日本の刺繍はこの中国より
奈良時代頃に伝わったといわれています。
また、刺繍の三大刺繍というものも(相良・スワトウ・蘇州)
もちろん中国で生まれ、現在でも大変多くの刺繍製品が
日本の和装の中でも流通しているのです。


一方日本の刺繍はどうでしょうか?
日本では平安時代、刺繍をするための職人をかかえる「織部司」
(おりべのつかさ)という部門が置かれたのが発展の始まりとされています。

また室町時代には、豊臣秀吉が都(京都)を整備した際に、
現在の堀川御池にある二条城近くの竹屋町に
刺繍を専門に扱う職人を集めました。
そしてこの竹屋町で制作された刺繍を「竹屋町縫い」と呼ぶようになりました。

日本の刺繍は、江戸時代に「宮崎友禅斉」が友禅染を生むまでは
鹿の子絞りや摺り箔などの加工とともに発展を続けましたが
徐々にその隆盛も友禅染に移り代わって行ったと言われています。

その後、以前は手加工だった刺繍も現在ではミシン加工が主となり、
高度な技法のものも大量生産が可能となりました。
私たちがいま現在、手頃な価格で刺繍の加工製品を入手できるのも
文明の発達の産物なのです。


ですが…
この文明の発達も、今後時を経ていくにつれ現在の形も工程も
また大きく変わっていくのかもしれません。
そして、いまの形を目にしている自分自身が、
その変化を目にすることがあるのかな?と楽しみにもちょっと寂しくも感じます。


宗流


和装小物 宗流
http://www.sou-ryu.jp
# by sou-ryu_mame | 2009-01-12 11:56 | 刺繍について

香りの文様


香りの文様_c0163413_2265555.jpg


こんばんは。
今日は朝のTVで関東のほうは雪でとても寒い一日との事でしたが
そちらの方面にお住まいの方はお風邪など召されてませんでしょうか?
明日から三連休という方も多いかと思いますが
体調を崩されず、楽しい連休をお過ごし下さいね。


さて。今日のお話も「文様」シリーズの一環で、
昨日の源氏物語のお話の延長です。
本日の画像は、着物のお好きな方にはおなじみのものですね。
これは「源氏香図」の一部です。

「源氏香図」は、「源氏香」と呼ばれて着物や帯の柄として
とてもよく使われているものです。
源氏香単体のもの、そして花や他の柄の一部としてなどに使われ、
愛好者も多い文様の一つです。

この源氏香、ただのアルファベット状の直線の集まりのように見えますが
非常によく似たこの形状のものは52通りあり、それぞれに名称がついています。

源氏物語は54帖のパートで構成されており
そのうち、第1巻の「桐壺」と最終巻の「夢浮橋」を除いた52帖の巻名が、
それぞれの図案に付けられています。
また、本来は着物の意匠としてでなく
香を焚いてその香りを聞いて愉しむ(香道の嗅ぐ=聞く)香道のもので、
この文様を使用する遊びを、「源氏香遊び」と言います。

これは五種の香を順に焚いて、その五種の香りを聞き分ける遊びで
最初に紙に五本の縦線を記し、聞き分けた香が同じものなら
横線で結ぶという遊びだそうです。
私はまだ未体験なのですが、聞いているだけでも難しそうです…。
香道も古の女性のたしなみの一つだったという事を聞くと
五感全てを、常にいい状態にしておかなければならないのかもしれませんね。

そして、その感性や知性が文様としての源氏香を生み、
線の集まりに見えるものに雅やかな雰囲気を与えたのかもしれません。


けれど…
この香道ほど複雑なものでなくても
現代にはもっと手軽に香りを愉しむ方法があります。
お香やエッセンシャルオイルなどのアロマテラピーです。
ボディフレグランスのお店や、輸入雑貨店にはとてもたくさんの「香り」が揃い、
私たちを癒し、愉しませてくれます。

その中でも自分のお気に入りの系統の香りを見つけ、
香りを組み合わせてみるのは、ある意味では現代的な香道の一つかもしれませんね。


宗流


和装小物  宗流
http://www.sou-ryu.jp
# by sou-ryu_mame | 2009-01-09 22:06 | 文様について

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