色いろいろ2
こんにちは。
あっという間に1月も7日です。
世間の雰囲気もお正月気分から日常の日々に戻ってきましたね。
お正月のご馳走になれてしまった胃も、
今日の七草粥でちょっとひと休みという方も多いのでしょうか。
さて、本日はしばらく続いていた「文様シリーズ」をお休みして
久々に「色」のお話です。
前回は、色の名前についてが中心でしたが、
今回は「襲色目(かさねいろめ)」についてです。
みなさんは各季節のイメージ色ってどんな色をお持ちでしょうか?
春の色・夏の色・秋の色・冬の色…
人それぞれに色々なイメージをお持ちだと思います。
厳密に言えば少しニュアンスが違うかもしれませんが、
襲色目とは、その季節を表す自然の風物の
色の組み合わせと考えてもらえれば、解り易いかもしれません。
十二単にもこの襲色目は多いに使われていました。
幾枚も美しい色の着物を重ね着した、その衣の色の配列を
示したものを襲色目とよびます。
たとえば、その一例をあげてみますと…
・春→紅梅 (表/紅梅 裏/蘇芳)
早春に咲く紅い梅の花をイメージしてあり、
その花の色に似た、かすかに紫をおびた淡い紅色と
赤味の深い赤紫色の組み合わせ。
・冬→枯色 (表/淡香 裏/青)
冬の枯野の情景をイメージしてあり、
枯草を思わせる薄い茶と深く静かな青(深緑)の組み合わせ。
…などなど、この組み合わせは約200種にものぼるそうです。
ところで、
この襲色目、元々は平安時代の貴族女性の十二単の色の組み合わせ
だったのなら、今の現代になかなか利用できないのでは?
と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
確かに、この時代で十二単はなかなか日常には見ませんもの。
でも、一番簡単な襲色目の利用として
小物の帯揚&帯〆の色合わせに使われてみてはいかがでしょう?
初春の装いに、紅梅の襲色目の帯揚と帯〆なんて素敵です。
たとえ、そのものずばりの色ではなくても
色の持つ雰囲気で、季節感を演出できそうです。
今の時代、平安の頃とは自然の色も情景も、きっと変わっているのでしょう。
その当時の人々の豊かな感性をしのび、現代に生かすことは
とても大切な事だと思います。
ですが、今の時代にしか見られない現代の情景を
それぞれの感性で色になぞらえ、新しい自分だけの「襲色目」を作りだす。
それもまた「あり」ではないでしょうか?
宗流
和装小物 宗流
http://www.sou-ryu.jp
by sou-ryu_mame
| 2009-01-07 16:14
| 色について
最新の記事
再び「衿」のお話 |
at 2011-02-02 22:30 |
半襟の日 |
at 2011-01-20 00:22 |
睦月の節句 |
at 2011-01-16 18:21 |
2010 正倉院展 その3 |
at 2010-11-20 18:23 |
2010 正倉院展 その2 |
at 2010-11-03 17:01 |
カテゴリ
全体色について
半衿について
帯揚げについて
刺繍について
帯留について
文様について
履き物について
宗流HPについて
重ね衿について
宗流の商品について
「きもの」について
絹について
きもの検定について
お出かけ
節句・節気について
未分類
以前の記事
2011年 02月2011年 01月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 04月
2010年 02月
2009年 11月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月