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宗流がお届けする小さな豆知識。
by sou-ryu_mame

水辺の文様


こんばんは。
土曜日の夜、みなさまいかがお過ごしでしょうか?
私もようやく今週の仕事を終え、一息ついてます。
今週も頑張りました!


さて休日前に、本日は文様の話第七回、
「水辺の文様」に関するお話です。


水辺にはたくさんの文様が隠れています。
まずは水本体として、流水文・観世水、
そして、水の中で生活する生き物たちです。

この水中の生き物たち、文様のいわれとしては
かなり立派なものが多いのです。

まずは魚の鯉。
これは古い中国の言い伝えによると、鯉は滝を登り
龍に変化すると言われていることから、
立身出世の象徴とされ、ここから「登竜門」の言葉を生みました。
また亀は、これもご存じの通り長寿の象徴です。

水辺に描かれることの多いトンボ。
これも同じ昆虫の仲間を捕食して生き、
一直線に前進して後ろへ引かないことから「勝虫」と呼ばれ、
戦国時代は武運長久の願いを込めてよく使われた文様です。


そして、水の中の生き物の中でも「長」のような存在、龍。
これは生物の始まりは魑龍(ちりゅう)魅(みりゅう)
魍(もうりゅう)魎(りょうりゅう)の四つの小さな龍から生まれ
そこから全ての生き物に派生したと、中国では言われており
龍の文様は特に神聖なものとして扱われてきました。


中国だけでなく、日本でも権力の象徴や、
気運の上昇のシンボルとして尊ばれ、水神(蛇の場合も)
としても崇められてきました。
また、その龍や蛇の体を覆う「うろこ」も文様となっています。

これは三角形の文様で、
単独で描かれることはあまりなく、いくつか互位置に連ねて
「うろこ文様」と呼ばれています。

この三角形はそもそも病魔を表すと言われ
またそれと同時にそれらを排斥する強い呪性を
持ち合わせるものとして考えられてきました。
その結果、古くより厄除けや魔除にも多用されてきたのです。
うろこを持つ蛇が、脱皮する事を回生として
うろこにそのような願いを込めたとも言われています。


そう思えば…水の中には虫が魚に食べられ、
その魚を龍や蛇がまた食べるといった食物連鎖と同じように
文様にも連鎖があるような気さえしてきます。
とんぼのように小さな生き物から、空想の龍に至るまで
文様にしてしまう、古人の発想の豊かさには
今更ながら驚かされるばかりです。



ちなみに…本日唐突に「水辺の」というお話になったのは
宗流HPでは、来る2/15より
「こもの屋の小さなこもの展」と題して、
帯留をたくさんご紹介させて頂きます。
その中の一つに、「うろこ」の柄の帯留があり、
本日のお題はそこからの延長となりました。
また宜しければご覧下さいね。


宗流


和装小物 宗流
http://www.sou-ryu.jp
by sou-ryu_mame | 2009-02-07 23:47 | 文様について

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