きもの検定 絹について その3
こんばんは。
本日はかなりのハイペースで頑張ってます!(←自己満足)
今回は「絹について」糸のお話をお伝えしておりますが
それも今回で第三回目。このシリーズも一旦最終回です!
今回はその総決算(?)、絹糸の色々をご紹介致します。
糸はその製法、また用途によって様々な特徴と名称を得ます。
なかなか糸の状態でお目にかかる機会はないのですが、
まずはその名称と特徴をご覧頂きたいと思います。
どうぞよろしくお付き合い下さいね^^
真綿 … 繭を重層で煮てセリシンを溶かし、広げて乾燥させたもの。
そのまま防寒用の綿入れなどに使ったり、引き伸ばして
真綿糸や手紬糸などにします。
繭糸 … 繭を構成する糸、または繭からほどいた糸。シルクの本体であるフィブロイン
とセリシンで出来ています。
真綿糸 … 真綿を引き伸ばして糸にしたもの。ふっくらと軽く暖かな糸になり、紬織物
によく使われます。
生糸 … 数個の繭から糸を引きだして抱合し、1本の糸状にしたもの。
ほとんど撚りはなく、未精錬でゴワゴワと固い手触りです。
生糸を使った織物を「後練織物」とよび、代表的なものに
縮緬・羽二重などがあります。
座繰り糸 … 手動式、足踏み式などの伝統的な座繰り機で作った生糸。
繭を煮て糸をほどきやすくしてから座繰り機を使い、生糸を
一本ずつ引き出します。手作業のため、機械操糸(製糸)と
比べて、糸には微妙な太細があり、生地は独特の味わいにな
ります。代表的なものに牛首紬があります。
手紬糸 … 真綿から手工的に糸を引きだしたもの。唾液をつけながら引き
出し、撚りをかけずに糸を作ります。糸には節や太細があり、
空気を多く含むため、織物は独特の風合いがあり暖かいのが特徴。
現在手紬糸を使うのは本場結城紬のみ。
手紡ぎ糸 … 真綿から手紡機で引き出した糸。節があり、撚りのかかった糸
になります。手作業なので技術が必要。塩沢紬の糸が代表的。
手紡機で紡いだ綿糸も同名称。
練糸 … 生糸を精錬してセリシンを取り除き、フィブロインを主体とした糸。
絹本来の光沢と手触りがあり、精錬の程度によって固さが異なります。
この糸を使用した織物は「先練織物」とよび、代表的なものには御召
があります。
節糸 … ところどころに太細の節のある糸。織物になると布面に表れる節が
独特の表情になります。太めでやや固いものが多く、紬織物に多様されます。
絹紡糸 … 生糸にできないくず繭や製糸くずを原料とし、紡績機で紡いだ絹糸の事。
玉糸 … 2匹の蚕が作った玉繭(同功繭)から作られた糸。玉繭は糸の出る口が2つ
あり、片方の繭糸を切りながら作るため、一方の繭糸が絡みついて、節の
ある太めの生糸になります。織物では牛首紬が代表的。
野蚕糸 … 山野に自生する野生の繭から取った糸。蚕には柞蚕(タッサー)、天蚕(山繭)
ムガ蚕など。太くて粗硬なものが多いが味わいがあり、絹織物になります。
天蚕糸 … 山繭糸ともいい、野蚕の一種で天蚕の繭から取った糸。繭は黄緑色。稀少で
「絹のダイヤモンド」と呼ばれ珍重されています。糸は緑がかって独特のツヤが
あります。
柞蚕糸 … 野蚕の一種でタッサーシルクともいいます。柞蚕繭から操糸した黄褐色の生糸。
中国やインドが主産地。粗硬で野趣のある絹織物になります。
撚り糸 … 撚りをかけた糸。一般に生糸はほとんど無撚りですが、糸を強くしたり織物の
味を出すために撚りをかけて使います。撚りをかける回転数によって少ないもの
から甘撚糸・並撚糸・強撚糸などがあり、撚りをかける方向によってS撚り、
Z撚りがあります。
片撚り糸 …撚りのない糸に一方向の撚りをかけた糸の事。(S撚り・Z撚りのどちらか)
諸糸 … 同方向の撚りをかけた片撚り糸を2本以上まとめ、さらに逆の撚りをかけた糸。
壁糸 … 撚り糸の一種。細い糸に太い糸が螺旋状に巻き付いて見える糸。強く下撚りを
かけた太めの糸に、撚りのない糸を引きそろえ下撚りと反対方向に撚りをかけた
もの。夏物に多く使われ、壁縮緬・壁御召など。
駒糸 … 上撚と下撚が非常に強い諸糸の事。駒撚糸ともいう。撚りの効果で織物の表面
がなめらかで肌触りがよく、駒絽・駒御召など夏物によく使われます。
(きもの文化検定問題集・おさらいコラムより)
宗流
by sou-ryu_mame
| 2010-09-06 00:56
| きもの検定について
最新の記事
再び「衿」のお話 |
at 2011-02-02 22:30 |
半襟の日 |
at 2011-01-20 00:22 |
睦月の節句 |
at 2011-01-16 18:21 |
2010 正倉院展 その3 |
at 2010-11-20 18:23 |
2010 正倉院展 その2 |
at 2010-11-03 17:01 |
カテゴリ
全体色について
半衿について
帯揚げについて
刺繍について
帯留について
文様について
履き物について
宗流HPについて
重ね衿について
宗流の商品について
「きもの」について
絹について
きもの検定について
お出かけ
節句・節気について
未分類
以前の記事
2011年 02月2011年 01月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 04月
2010年 02月
2009年 11月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月